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4月23日大江・岩波沖縄戦裁判学習会報告 

 
2008年10月31日に大阪高裁で大江・岩波沖縄裁判の控訴審判決が言い渡された。
判決は、原告に対して控訴棄却が言い渡され、大江・岩波書店側の勝利となった。

  4月23日、沖縄戦裁判学習会が大阪市中央区のエル大阪で開催された。
05年から始まった大江・岩波沖縄戦裁判は、大阪地裁で「集団自決」に対する旧日本軍の関与を認め、大阪高裁で原告の請求を棄却し勝利した。その後は、最高裁に闘いが移ったが、1年半経った今も何の音沙汰もない。今回は、この裁判で著書の「沖縄問題二十年」が訴えの対象となった(後に取り下げ)当事者でもある沖縄大学名誉教授の新崎盛暉さんを招いて、1945年当時の沖縄の現状から現在に至るまでの歴史的体験、社会的背景について学習した。

 

    沖縄戦裁判学習会 講師 新崎盛暉さん (沖縄大学名誉教授)

  新崎さんは、戦後直ぐから20年間ぐらいまでは、戦争体験や歴史的な背景について検証、評価はされてこなかったが、70年代からその検証が始まり、史実のとらえ方の評価も変わり85年を山場に批判や論争が盛んになってきた。80年代、90年代と積み上げてきた流れの中には、一貫して市民運動、労働運動と常に政治的背景が絡んでいるという。
そのひとつに、07年9月29日に11万6千人もの県民が集った大会は、「教科書検定意見撤回」という目標があったのではなく、当時(沖縄戦)のことを話せない、話さない人が、話さざるを得なくなった結果、大集会に結びついたと言われた。それは、時代の変化の中で政治的背景により意図的に消し去さろうとする裁判や動きに対して、真実を知ろうとする人がそのことを放置せず、史実を正確にするため、積極的に問題意識を高める運動が拡がったためである、と述べられた。又、現在毎日のように報道されている普天間基地問題も同様であり、移転先が議論になっているが、本質の議論がなされていないと。
それは、安保の問題である。もともと安保は、「アメリカに守ってもらう」という名目で出発したのに、今ではテロ対策のための抑止力だと言って、無関係な議論になっていることを指摘する。抑止力という言葉は、核兵器に対して使われたもので、戦争に対して抑止力にはならない。それに海兵隊は突撃隊であって国民を守らないことは明白であり、安保自体そのものが変化しているとも述べられた。
そして、現在も政治的にクローズアップしたものをメディアが煽りたてて、国民に切り取った部分を写し、本質的な議論を隠しながら、変化させる政治的背景があると危惧する。沖縄の人々は、普天間基地即刻閉鎖、返還であって代替場所など必要がない。どうしても必要だというなら、政治的判断やそれを支持する世論が強ければその移転先は国外、県外でなければならない。それが、沖縄の平和の一歩であり、構造的沖縄差別の上に成立してきた日米安保・同盟を是正し、建設的な日米関係の第一歩に繋げていくことが重要だと主張している。
さらに現在、政権交代によって、5月に決着と言ってゴチャゴチャになっているが「それもよい」と言っている。何故なら、沖縄の問題を沖縄だけにせず、全国民が大いに考える機会を与え、現政権下が歴史的変革の絶好のチャンスだからだ。
我々は、ややもすれば目先の生活に流され「どうせやっても変わらない」「どうせなるようにしかならない」と考え勝ちかも知れないが、ただはっきり言える事は「何もしなければ、なるようにもならない」ということだ。

沖縄戦裁判学習会 風景それは今まで歴史を変えてきた事実が証明していることである。今こそ絶好のチャンスと捉え、一人一人が声を上げ、署名ひとつであれ、投書ひとつ行う作業でもよい。とにかく一人でも多くの人に繰り広げる闘いを展開していく運動をしなければ、将来はないと確信する学習会であった。

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