大江岩波教科書裁判
画期的な勝利判決!
大江・岩波沖縄戦裁判支援連絡会は、2009年強制集団死の検証
▲ 裁判官5名全員一致
「沖縄ノート」の記述〈集団自決への軍の関与があった〉が認められた!
「太平洋戦争の沖縄戦で住民に集団自決を命じた軍関与などなかった」と旧日本軍少佐らが、ノーベル賞作家の大江健三郎さんと同氏著書「沖縄ノート」の刊行元・岩波書店を名誉毀損と出版差し止めで訴えた訴訟上告審。4月22日最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は、軍の関与を認めたこれまでの判決を全面支持し、原告上告を棄却する決定をした。
5人の裁判官全員一致の結論であり、原告側全面敗訴との事実は、「沖縄戦の実相から目をそらし、歴史を右翼的に「歪曲」する事にあらためてNOが言い渡されたかたちだ。
史実を守り抜こうとする沖縄県民とそれを支える全国有志の意志が、このような歴史的判決を導いたといえる。
▲ 歴史を歪曲する動き
争点は主に大江氏の随想「沖縄ノート」の中から、集団自決を〈日本軍の命令〉として原告実名は伏せて発表された表現に対し、旧日本軍関係者は、日本軍(皇軍)にそのような責任はないとし、大江氏と岩波書店を訴えた。
この裁判が05年起こされたことを口実に文部科学省は、次年度の日本史教科書検定で〝軍関与〟の記述をなくせと修正を求めた。
それらを受け、教科書からいったんそれら記述が消されたが、これに憤激した沖縄県民は07年に歴史的な「教科書検定意見撤回を求める県民大会」で10万人を超える集会を開き、真実を求める圧倒的な声を受け再度軍関与を示す記述が復活するなど大きな社会問題ともなった。
この間、一審判決で原告側『教科書をつくる会』が非難した論点について、「隊長命令の言葉の有無ではなく、日本軍の有形無形の圧政下で生じた事件」と断定され、二審でもそれら提起は一蹴された。
▲ 今後も連帯を深めて
連帯労組では、近畿地本を中心に裁判支援連絡会の取り組みに全面協力してきた。
「検定意見の撤回を求める会・関西」を組織して、「集団自決」の証言者ビデオの上映学習会や、「検定意見の撤回を求める請願署名」に取り組んだ。(08年12月に文科省へ約5万筆の署名を提出)また、エル大阪で映画「月桃の花」上映会と高校歴史教科書問題を考える「4・13シンポジウム」を08年4月に開催した。そして、『大江・岩波書店沖縄裁判を支援する会』が取り組む学習会への参加や集団自決検証の旅に代表団を派遣してきた。今後は、最高裁判決を受けて文科省へ歴史教科書で削除された「集団自決」記述回復を実現させ、反戦平和に向け取り組む。
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