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質問
 派遣切りと社宅・寮等の居住権
派遣切りになり、住居を即時明け渡すように言われたのですが。
説明

まず知っておきましょう。
働いて、生活(住む)することができるのですが、働なくなったからと言って、
住む権利が無くなるわけではありません。
理由は、派遣契約(労働契約)と居住権(借地借家法)とは、まったく別だからです。
派遣で働く時に、雇用と社宅などがセットで契約が結ばれる事があり、
雇用契約が無くなれば自動的に社宅など住めなくなると考えがちですが、
そうではありません。法的な対処は全く違います。

居住権とは
借地借家などの契約が一方的に家主(派遣会社)の都合で解除になっても、そこに居住する権利があります。 (借地借家法28条を根拠にしています)
根底は、憲法 第25条: 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」 生存権、国の生存権保障義務。

ここを確認しましょう。
(1) たれが借りているのか?
①「家主-派遣会社-派遣社員」の三角関係。
(派遣会社が家主から借りて、
それを派遣社員が派遣会社から借りて住んでいるケース、
費用は全額もしくは一部補助)

②「家主-派遣社員」。
(派遣社員が家主から借りて、派遣会社が費用を補填しているケース)

③「派遣先-派遣社員」。
(派遣社員が派遣先から借りている。 費用は全額もしくは一部補助)

上記の3パターンに大きく分類されます。
いずれの場合も居住権が有ると考えられるので、住み続けることをは問題無いと思われます。 しかしながら借地借家については借りる費用が発生し、これについての交渉が必要です。
居住権が有ると言っても、大家に対して無償で住む権利ではありません。したがって派遣会社が費用を補填していた部分の交渉になります。

派遣会社が借家費用を補填している場合、派遣切りの事由との関係。
派遣切りが労働契約期間中の解除(打ち切り)であれば、借家費用を補填する割合は必然的に高くなる。不当な派遣切りであれば、当然の請求として全額の補てんを請求していくことが大事である。
派遣先の住居を借りている場合も、同様である。
なお明け渡す場合、引っ越し費用など請求が可能である。
なお無償の場合、使用貸借の可能性について注意が必要。

対応例

住居を即時明け渡すような要求を受けた場合、生活権・居住権の危機であるので
上記をふまえた上で早急に専門家に相談を行うと良い。
派遣社員の場合、派遣会社あるいは、派遣先に対して雇用の継続を強く申し入れるのが第一。場合によっては、派遣切りのが労働契約期間中の解除(打ち切り)であれば打ち切り補償の交渉などもあり得る。いずれの場合も、個人での交渉は限度があり専門家の助言や手助けを元に交渉した方が良い。

■ 労働相談は一般的な内容のものです。具体的な内容については、当ユニオンへ電話、来所してご相談ください。

 

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