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関生・関西宇部刑事高裁判決に対する弁護団声明

2010年5月14日 主任弁護人 里見和夫

大阪高裁第4刑事部(古川博裁判長)は、2010年5月14日、控訴審判決を言渡した。一審判決と同様、被告人らによる2008年7月2日の行動目的の正当性を認めたものの、結論は、「控訴棄却」であり、一審の有罪判決を維持した不当な憶病判決と言わねばならない。控訴審において、被告・弁護人は、行動目的の正当性を一定程度認めた一審判決を後退させず、更に進んで無罪判決を出させるため、主として次のとおり主張した。

一審判決は、正当にも、検察官の主張を排斥し、「2008年4月2日付春闘協定において、生コン製造会社が生コン輸送会社に支払う輸送運賃を値上げすること、及び、経営者会が輸送運賃値上げを前提とした個別交渉の基準となる指針を示すことを合意した」、「本件合意には、輸送運賃引き上げの速やかな実施も含まれていた」と認定したうえで、「労働組合としては、3要因を満たすだけの輸送運賃の値上げであるか否かを検証できなければ、労使間合意の実効性が確保できないから、関西宇部は、関生支部に対し、回答義務を負っていた」と認定したにもかかわらず、不当にも、2008年7月2日当時はその回答義務は生じていなかったと判示した。
  ただ、その後ろめたさもあって、一審判決は「本件当時、本件労使間合意から約3ヶ月も経過していたのに、輸送運賃の値上げの具体的な見通しすら立っていなかったから、被告人らを含む組合員らが、合意の履行について不満を抱き、焦燥感、不信感を募らせ、関西宇部に対し、合意がどのように履行されるのか、まだ履行されていない理由は何であるのか等について具体的な説明を求めようとしたことは、十分理解できる」、「他方、関西宇部の対応は、本件労使間合意を前提とした対応の仕方としては、やや適切さを欠き、配慮が足りない一面があったことは否定できない」とし、「これらの事情を踏まえると、被告人らの本件行動は、無理からぬ一面もあり、それ自体として不当であったとはいえない」と認定したが、高裁においては、このような限定された正当性の認定ではなく、行動目的の正当性をより明確に認定し、行動の方法・程度も妥当な範囲にとどまっていたとして、無罪判決を出すべきである。
  一方、検察官は、一審判決が行動目的の正当性を認めたことに対し、「平成20年4月2日、経営者会と5労組との間で、輸送運賃を引き上げることが合意された事実はない」、「関西宇部が輸送運賃を引き上げる義務を負うことはなく、輸送運賃引き上げに関する交渉及び回答義務を負うこともなかった」から、被告人らの行動に正当目的はなかったことが明らかであるとして非難し、高裁に行動目的の正当性を否定するよう求めた。高裁は、結局、一審判決の認定をそのまま受け入れるにとどまり、被告・弁護人の控訴を棄却した。むろん、控訴審における検察官の主張については、一審判決と同様これを排斥した。しかし、高裁判決も、検察官の主張を否定し、一審判決と同じ程度とは言え、本件行動の目的の正当性を認めざるを得なかったのであり、これは、取りもなおさず、被告人らをはじめとする関生支部の関西宇部に対する一連の運動の成果であることが明らかである。

以 上

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