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2010年春闘方針 「いま求められる関生運動」

 
■ 期待されない日本の労働運動

いま、日本の労働運動は死滅状態にある。それは、全国に5万近くあるほとんどの労働組合が組合員とその家族から期待されていないだけでなく、労働者から見放されている存在となっているからである。

なぜこのようなことが起きているのか、それは労働組合の原点を失った労働組合が多いからである。労働組合の原点とは、「労働者が主体となって結集している団体」である。その目的は、「労働者の経済的、社会的地位向上」にある。
この原点にある「労働者が結集する」とは、何も本勤労働者に限定されたものではない。非正規、パート、下請け、派遣など、呼び名はどうあれ労働者であれば「誰でも一人でも加入できる」のが労働組合であるはずだ。

労働組合が組合員の切実なる要求、意見、要望を聞き入れない労働組合になっているのは何が原因か。

第一に、組織形態が企業別で労働者間の分断を受け入れる構造になっており、かつ要求形成力、交渉力、行動力が企業内に限定され、企業間競争に労働組合が埋没する構造になっていること。

第二に、企業内組合は常に思想的、物理的な資本の影響力が強く、資本がその力を背景に労働者間の対立を利用して成果主義的政策を実行し、それに協力するか否かを労務管理の基本としており、それに抵抗する職場闘争が不在であること。

本勤の条件向上のため、派遣、非正規、下請け労働者への搾取率を高めることに労働組合が狂奔。特に不況が深刻化した今、同業他社との企業間競争に労働組合が参加し、喜んで本勤労働者自身のリストラに加担している。そして低賃金構造を作り、派遣、非正規、下請け労働者の出入り権の侵害、雇用の打ち切りを平然と行っている。いわば労働組合が資本の手先、労務管理の役割を果たしているのである。このような労働組合に多くの労働者が期待するどころか失望するのは当然のことである。

■ 日本労働運動の前進に必要なこと
(1)成果賃金制度の廃止。差別的賃金など、労働者を分断する資本の政策と全面的に闘う職場の自由権確保について方針を確立する。雇用制度としては個別会社との事前協議合意制度を確立。組合推薦による優先雇用協定を作り産業別雇用保障制度を展望した制度確立が求められる。

(2)その性格から労働組合には大衆性は必要条件である。しかし、、多くの組合は「本勤主義の企業別組合」「階級制の欠落」という立脚点の誤り。また、経済要求(実際は賃上げもまともに闘っていないが)と選挙の集票だけを任務方針・政治課題とする弱点をかかえている。民衆が主人公の政治体制の実現を方針として掲げ、資本との闘いは思想闘争そのものであることを明確にし、彼らの誤りと弱点を克服していかねばならない。労働者の育成には労働者の視点に立った情勢分析が不可欠である。

(3)組合改革としては、資本と政党からの独立を確保しつつ地域ユニオン運動へ二重加盟し、地域闘争発展の原動力になるような転換がなければ労働者に期待される運動は不可能である。新しく結成する組合は企業別、本勤主義の組合ではなく個人加盟の労働組合として産業別・地域別に組織し交渉権を確保、企業の枠を超えた運動を展開すること。資本の投資計画をチェックする関与権を確立する。「戦術は水の如し」であり、ストライキ、大衆行動、不買運動、背景資本との闘いなど創意工夫した闘いを展開する。

(4)大企業と中小企業の対等取引を目指して全国の協同組合の機能強化、中小企業との共同体制を確立し経済の民主化、産業の民主化闘争を組織する。これは内需拡大運動でもあり重要な取り組み。関西の生コン関連事業団体を調査・研究。その普及を図る。

(5)各地区で傾向の異なる労働組合との共闘関係を作り、企業外に見える労働組合活動を行う。協働センターを作り、労働者110番活動を行う。産業別運動の典型として全港湾、全金港合同、関生支部の各労働組合を客観的に分析する研究会を設立する。

(6)趣味別サークル活動組織を作り、若者に魅力ある組合活動を創出する。

(7)地域協働センター内に労働者教育学習活動として、弁護士、学者、中小企業家と実践運動家で構成し、年間事業として労働者と中小企業経営者対象の学校を開催する。

(8)平和、民主主義、人権、憲法擁護、日米安保破棄を目指す共闘体制を確立し、月間と年間の行動計画を立て、大衆運動の日常的組織化を図る。

(9)朝鮮民主主義人民共和国との即時無条件国交回復交渉、過去の植民地主義、侵略戦争によって与えた人民に対する反省、謝罪、償いを行い拉致問題解決に取り組む。国際連帯活動の強化に取り組む。

(10)沖縄戦での軍の強制自決など戦争責任の問題、戦争加害者としての日本人論についての検証委員会を設立して総括を行い実践活動に活かす。

くさりNO,731より

連帯ユニオン議員ネット