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『日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪』

   今こそ日朝友好の輪を広げよう!日朝市民連帯・大阪4周年
「より幅広い日朝友好運動を求めて~福岡など各地の経験を聞く集い~」
2010年2月17日(水)18:30~ 場所:エル大阪
主催:日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪
集会は18時30分より大阪市中央区のエル大阪7階会議場で開催、司会を『チョソンハッキョを楽しく支える生野の会』代表でもある長崎由美子さんが務めました。
『日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪』(以下、日朝市民連帯・大阪)は2月17日、〝より幅広い日朝友好運動を求めて~福岡など各地の経験を聞く集い~〟と題する集会をエル大阪会議場にて開催しました。集会では、講師に『福岡県日朝友好協会』代表で元福岡県議会副議長・北原守氏を迎えたほか、大阪、兵庫、京都で日朝関係を考える各団体の代表が各地の活動報告を行うなどしました。


加来洋八郎氏●加来氏
冒頭の主催者挨拶で『日朝市民連帯・大阪』共同代表・加来洋八郎さんは、「昨年誕生した3党連立政権に対し、朝鮮民主主義人民共和国との国交正常化要請書を提出」した事を報告し、「さらに市民連帯を強めてもっと大阪らしい日朝友好運動を広げるべき。本年は日韓併合100年にあたる年であり、日朝国交正常化を勝ち取る年にしたい。今日の集会が日朝友好運動を考える新たな契機になってほしいです」と希望を述べました。

 

●浅田氏
次に、『広範な国民連合・大阪』代表世話人である浅田義信さんから連帯の挨拶がありました。浅田氏は、「日本では、お隣の国(朝鮮民主主義人民共和国)と国交正常化していないという異常事態なのに、その事が議論にならない。日朝市民連帯・大阪の活動は4年を経過し、もっと広く世に広げる時期に来ました。地域から全国的活動をする為に皆さんの力を貸して頂きたいです」と呼びかけました。

 

そして、この集会のメイン講師として来阪された『福岡県日朝友好協会』代表で元福岡県議会副議長・北原守さんが、「日朝友好促進への取り組み」と題して同協会の活動報告をベースにした講演を行いました。

日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪北原氏

「北東アジアの平和は〝北〟抜きでは考えられません。〝同じ人間、話せば分かりあえる〟という思いが私たちの運動の原動力になっています。日朝関係の活動を始める前には、日韓、日中との関係を深める活動をしていました。
福岡県日朝友好協会の活動理念は、政党で言えば、一党一派にとらわれずに志が合えば誰でも仲よくする事です。今も県会議員、町会議員が党派を問わず大勢居ます。共和国と仲よくするという事で皆、共通しています。そして、県民の目線、県民の感覚で共和国と交流する事。
友好交流をするけれども、シンパではありません。あくまでも〝県民目線で〟という事ですので、核問題や拉致問題も日本の国民感情をしっかり先方に伝えます。昨年5月の共和国の核実験の際にも、県民決議を行って〝世論〟として県民感情である〝核開発は唯一の被爆国として容認出来ない〟という主張を朝鮮労働党国際部との話し合いで伝えました。ただし、先方の主張にも理解を示します。
私たちは96年に初めて共和国に行きましたが、先方に〝シンパ〟的な事を要求されたら、この活動は止めようと話をしていました。私は『日韓連』の会長をしていましたから、どちらかと言えば〝南派〟だったのですが、話し合いに応じてくれた共和国の幹部から〝対等・平等に話をしてくれる人がありがたい〟と言ってくれました。
〝拉致問題にどう対応するか?〟と内部議論をし、この問題をいかに解決するかと先方と話し合った結果、2002年の平壌(ピョンヤン)宣言をふまえて、〝お互いの信頼関係が出来ていないとダメ〟で、国交正常化をしてから解決を図った方が良いと両者の意見が統一しました。
これらの事を含めて私たちが得た情報は、県民に還元する事をモットーにしています。一番の方法は記者クラブを通じてマスコミに報道してもらう事だと思い、マスコミ関係者にも共和国に同行してもらいました。共和国側は日本国内の共和国に対する偏向報道を周知していて最初は渋りましたが、日本におけるマスコミの影響力を話し、〝共和国の実情を知って貰う事は意味のあること〟と先方を説得しました。マスコミに対しても偏向報道を避け、枠を逸脱しない報道をお願いしました。結果、NHKや各放送局でも取り上げて報道されましたが、共和国のありのままが描かれて、共和国の信用も得られたと思います。
アメリカがテロ支援国家指定を解除した時には私たちは現地(共和国)に居ました。この歴史的節目の時期の訪朝時には、こちらがリクエストした場所のほぼ全てを見学させていただきました。韓国企業が進出している〝ケソン工業団地〟に案内してもらった時などは、先導車に引きつられながら進出企業の全てを案内してもらい、共和国の学者ですら〝見たことがない、こんな事は初めてだ〟という所まで案内して貰いました。私たちが地道に信頼関係を築いていった成果のひとつだと思います。
さて、共和国では2012年に経済大国への〝大門〟を開きたいと言っています。先方は、政治・軍事的にはすでに大国であるとの認識を持っています。2012年に向けての準備は着々と進んでおり、農作物の大増産を図り、重工業の発展にも力を注いでいますが、それらのリーダーに、若く博識な者を男女の区別無く登用しています。内容の是非はありますが、共和国は教育を非常に重要視しており、そのカリキュラムは大したものです。通訳の方の日本語も非常に流暢でした。
第二次訪朝団を結成した時、共和国の核問題がクローズアップされてきた頃で世論も厳しく、私たちの訪朝に対して嫌がらせや脅しなどがありました。しかし、現地で顔を合わせて話し合いをする事を私たちはモットーにしていますので脅しに屈せず共和国に赴きました。この時も〝核は世界唯一の被爆国として容認出来ない〟としっかり先方に伝えました。共和国側は、〝現在、アメリカの対朝敵視政策のある中での事。日朝国交が正常化され、米朝関係も改善されれば核問題も無くなる〟と言っていました。拉致問題に関しても、日朝間に信頼関係がまったく無い事が問題の原点で、〝約束を守ってもらいたい〟が結論。約束を守り、信頼関係を築くことが出来れば拉致問題も解決すると思います。
どんな政権が出来ても日朝関係に対してどの様なスタンスを取るのか?が大事です。今のところ、共和国は日本の新政権に対しての言明は避けています。
いま大事なのは、国会議員レベルの交流だと思います。地方議員が世論を作り、国会議員を動かせれば良いのですが、腹をくくって共和国と対峙しようとする国会議員がいない。共和国とのパイプを持っているのは今のところY前議員ぐらいでしょうか。日中国交回復を実現したTさんみたいな人が出てこないといけない。与党の大物政治家が腹を決めて取り組んで貰わないと、外務省ペースでは難しい。県会議員レベルでは限界を感じます。根回しをする事は可能ですから、地方の連帯が必要で有効です。
今後の活動としては、今年5月にまた訪朝団を結成します。2月22日には元自民党のY氏の講演会を開催予定しております。また、日朝問題に取り組む地方議員連盟も作る予定です。在日コリアンの連帯も深める事も大事で、組織だてる計画です。ハングル講座も開設します。引き続き組織強化を図り地方から声を上げ、世論を構築して行き、日朝関係の正常化に向けて皆さんと活動していきたいです」

その後、「各地の経験」として、兵庫県での活動を『日朝友好兵庫県民の会』松田正巳さんが、同じく兵庫県の神戸地区での活動を『対話で平和を!日朝関係を考える神戸ネットワーク』高橋秀典さんが、京都府での活動を『文化、学術、市民交流を促進する日朝友好京都ネット』佐々木道博さんが、それぞれ報告しました。

特別アピールとして、『日朝市民連帯・大阪』共同代表の永久睦子さんが『大阪朝鮮高級学校』の運動場明け渡し裁判の勝利結果報告と課題提示を行いました。

集会のまとめとして、『日朝市民連帯・大阪』共同代表の有元幹明さんが、「今日の北原さんの報告を聞き、福岡での日朝運動が真摯に進められている事に感動しました。お互いに手が繋がったと思う」と、この日を期に連帯の絆が深まった事を前置きし、現政権が公約としている〝高校無償化〟問題で、「他民族学校に適用されて朝鮮学園に対しては適用除外になりそうな気配があります。最後に〝はしご〟が外されたら大問題で、この問題に対しても早急に取り組む必要があります」と語りました。最後に有元さんは、「日本人はアメリカのレンズを通してからしか共和国を見ていない。私たちは(共和国の)対文協を窓口に『日朝友好なにわの翼』という訪朝団を結成して過去に幾度か訪朝していますが、現地に行った人は皆、〝日本で聞いていた話しと違う〟と言います。共和国は私たちの運動に期待しています。今年は各団体の代表が訪朝団に加わる予定で、皆さんのご協力に感謝しております。本日はどうも有り難うございました」と、実際に自分の目で見て確かめてみる事が大事だと語り、共に運動する仲間と集会参加者を労う挨拶を行った後、散会しました。


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