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労働者派遣法の抜本改正を目指す共同行動・大阪は10月8日、今臨時国会での派遣法改正実現を訴える『今しかない!派遣法抜本改正』フォーラムをエル大阪で行いました。労働者派遣法の改正案は、今年4月の国会審議で上程されたものの継続審議となっており、派遣労働者の弱い立場を保護するには臨時国会での法改正実現が急務と言えますが、改正法案には特定派遣の定義や直接雇用みなし規定に〝抜け穴〟があり、不十分な内容に留まっています。フォーラムでは臨時国会で派遣法の改正を実現する意味を参加者が共に学ぶべく、神戸大学発達科学部・准教授の岩佐卓也さんをお招きしてドイツの派遣労働と規制の実態を語っていただいたほか、派遣労働の悲劇を分かりやすく表現する寸劇なども催されました。
主催者を代表して挨拶にたった連帯ユニオン近畿地本・垣沼執行委員長

フォーラムの冒頭、主催者を代表して挨拶にたった連帯ユニオン近畿地本・垣沼執行委員長は「〝派遣法が改正されると雇用が5割失われる〟と派遣業業界は宣伝して世論を作ろうとしていますが、これを真に受けて改正をされると労働条件は改善されない。本当に労働者のためになる改正を秋の臨時国会でできるかどうか。国会行動、院内集会などに大阪からも代表を派遣して闘いを作っていきたい」と、臨時国会での派遣法改正を強く訴えました。

続いて、神戸大学発達科学部の岩佐卓也准教授が『派遣労働の規制にむけて~ドイツから学ぶ~』と題して以下のように提言されました。
「ドイツでも日本と同じように派遣労働が問題になっています。構造は基本的に日本と同じで、労働条件や雇用保障などは企業側に有利なものとなっています。そのため、法律でちゃんと規制しようという運動は日本だけではなく、国際的なものと言えます。ドイツで派遣労働が正式に認められたのは1972年からと日本より古く、大きな転機となったのは2002年の派遣法改正からです。この改正で派遣業は衰退すると思われましたが、そうはならず、むしろ爆発的に増えました。この時、〝みなし雇用〟などの違法派遣があった場合には『直接雇用しなければいけない』などの様々な規制を設けて施行されたのですが、この法律には〝抜け穴〟がありました。【労働協約によって別の規定が出来る】としてあったのです。この抜け穴を利用した一部の労働組合と派遣業界が、企業側に有利な労働協約を結んで仕事を優先的に確保しました。結果、労働者は不当に低い労働協約を結ばされることになると共に、派遣労働者は日本と同じように生活ギリギリの賃金で働かされているという、当初の法改正の意図が達成されていない状況です。世界的にも、日本とドイツは〝賃金ダンピングの先頭を切っている〟と言っても良いでしょう」。その他、岩佐准教授はドイツでの派遣労働の実態と問題点を分かりやすく解説してくださいました。

その後、フォーラム参加者有志による寸劇『派遣法改正に関する院内集会コント』が披露されました。
 
1人の女性労働者が派遣社員として働く中で体験する派遣労働者の悲劇を、笑いをまじえたコントに仕立てあげました。
コントの登場人物はそれぞれ、「派遣労働者」「派遣会社の営業マン(軽薄そうな感じ)」「派遣先企業の責任者(労働法の理解に乏しそうな男性)」で、登場人物の3人は実際に派遣労働の現場で起こっている問題を分かりやすく演じていました(爆笑の連続でした)。

社民党衆議院議員・服部良一さん

その他、来賓挨拶を社民党衆議院議員・服部良一さんが、現場からの報告を『IMIUダイキン工業ユニオン』『北地域労組・はらから』『なにわユニオン』『あぱけん(アルバイト・派遣・パート関西労働組合』の各労組が行いました。
連帯ユニオンをはじめ各労働組合は、不当に低い労働条件と差別待遇を被る派遣労働の問題を早期に改善すべく、今秋の臨時国会での派遣法の抜本改正を強く訴えています。

連帯ユニオン議員ネット