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朝鮮半島の平和と日朝国交正常化を考える大阪の集い
 
2010年9月17日、日朝ピョンヤン宣言8周年を迎えたこの日に「朝鮮半島の平和と日朝国交正常化を考える大阪の集い」が、『日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪』主催のもとエル大阪会議場にて行われた。
 
3月の韓国海軍哨戒艦沈没事件や7日に起きた中国漁船衝突事件などで東アジアの緊張が高まるなか、日朝国交正常化早期実現を求める市民が集い、国際問題の平和的解決への道は〝対話と互いに約束を守る姿勢〟から始まることを確認しあった。また、ゲストに「韓国問題研究所」のカン・ジョンホン氏(国際政治学者)をお迎えして講演会を開催、〈朝鮮半島の平和と日朝国交正常化〉と題して朝鮮半島と日本の歴史について学び、改めて隣国との国交正常化が急務であると参加者に認識させた。
 
永久睦子共同代表挨拶:今日は『日朝ピョンヤン宣言』8周年の日です。ところが、今日の新聞やテレビには何もこのことが報道されていませんでした。8年前のことが忘れ去られようとしている。さて、今年は高校無償化問題で翻弄されました。私たちはこの問題に対して各地で集会を催し、朝鮮高校の授業料無償化が除外されることが無いように訴えてきました。そして、大阪朝鮮高校グラウンド問題チャリティも開催しました。隣国との緊張が高まるなか、今こそ皆で考えるべきです。〝村山談話〟を下敷きにピョンヤン宣言がありますが、一国の代表同士が会い、誓った宣言は守るべきです。韓斗連の議長が「批判せずに語ることを守ろう」と仰っていたことが私たちの希望を紡ぎます。語り続けましょう。

康宗憲(カン・ジョンホン)氏
康宗憲氏 祖国の民主化に寄与したいと高校卒業後、軍事独裁下のソウル大学に留学。希望に燃え母国留学を果たした在日2世の同氏は、言われなき罪を被され「北のスパイ」として汚名を着せられ死刑判決を受けた。死刑囚として獄中で13年間を過ごし、過酷な運命に耐え生き抜き、今は教壇に立つ。
著作→「死刑台から教壇へ」
ラジオドキュメント「獄中13年」→http://www.hdff.jp/movie/gokuchu13.html

同氏は講演会で、はじめにイ・ミョンバク政権について言及。「もう二度と戦争は無いと思っていた。しかし、イ・ミョンバク政権は南北統一を目標にしながら相手を敵視している。打倒しようとすれば戦争になる。イ・ミョンバクの政策は、自らの望むやり方で統一を目指そうとする政策に見える」と現在の韓国の統一政策に警鐘を鳴らした。さらに哨戒艦沈没事件について「事故だと思う」とし、韓国国内でも政府発表を信じていない人が「7割近い」と報告。「あいまいな報告書で南北関係を悪化させた。日本、米国もこの事件に影響を与え、緊張だけが残り歴史を後退させるものであった」と語った。
続いて、韓国併合100年を思い、改めて日韓の歴史を振り返った同氏は、伊藤博文を射殺した安重根(アン・ジョングン)の行動には歴史的・政治的背景があったことを「忘れてはならない」として、「構造的暴力」と「抵抗暴力」の違いを説明。彼の平和論は「アジアが手を結んで欧米と立ち向かう」というもので、「現在の『EU』のような理想を抱いていた」と紹介した。
続いて、〝菅談話〟〝日本の戦争と平和(戦争責任)〟〝朝鮮半島の冷戦構造と平和体制〟〝日朝国交正常化が日本社会にもたらすもの〟についてそれぞれ講義。最後に〝真の和解に向けて〟と題して、「これほど日本社会へのチャンスはないと思っている。〝北の脅威〟が無くなれば米軍も撤去出来る。イラクやアフガンのようにこちらから攻めて脅威を無くすつもりならば、人的・物的被害は甚大だ。一番は〝敵を無くす〟ことで、平和共存すれば敵は無い。国交を正常化して対話を行うことが急がれる」と語った。
 
集会参加者の連帯アピールの後、有元共同代表が「大阪では、共闘する団体と8年間この集会を共同開催してきました。カン・ジョンホンさんは私たちの顧問のような存在。今日の問題提起は本質を見抜く力と正しい方向を示してくれました。この問題を共有し、これからも私たちは日朝国交正常化へ向けて頑張りましょう」とまとめの挨拶をし、集会は閉会した。
連帯ユニオン議員ネット