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今回は、労働者の国最終回、農業と共和国の協同組合型運営について紹介する

 農業のありかた 協同組合型運営

白頭山   (白頭山とはウィキペディア)  航空写真

我々訪問団は、共和国南部の農場に訪れた。朝鮮戦争終了後の1953年12月12世帯で小規模ながら共同農場として設立。その後、1958年合併現在、この農村は650世帯2600人までの規模になり農民は1250人が働いている。
「農業の発展は社会主義の発展に大きく影響するので農業の役割は重要」と冒頭に農場の管理委員長から説明を受けた。共和国の農場は1つの農村(集落)になっており、農村ごとに託児所・幼稚園・中学校、診療所・病院があり17の作業班に分かれて作業している。また、個人農場主がおらず、全て集団農場運営している。国家から生産量の目標数値は出されるが、それ以外は個人の消費分を除く収穫量を全員で配分し、その方法は、均等ではなく個々の農場主の生産高によるシェア配分方式である。ちなみに、ここの農場は毎年国家の数値目標の100%を達成している。また、このような協同組合方式は農業以外の分野でもあるらしい。この集団運営方式(協同組合方式)は、余剰分を国家に売却し、管理委員会(後に説明)の予算組みにて農場運営している為、国営ではないが、どの段階かは不明だが最終的には国営になるそうだ。
 

 
 管理委員会の信頼厚き任務
この農場の管理委員会は、農村にある病院・学校を除いた、託児所・幼稚園・農村建設隊・農村修理隊などの管理を行ない、労働者の賃金を支払っている。農業の収穫以外に農村の住宅まで計画し農村毎にある農村建設隊が建設する。毎年、農村の中から選挙で管理委員長を決め、農業生産活動と農村での生活者全体の方針を決めている。訪問先の管理委員長は8年連続任期を務め農民の信頼も厚く、我々の質問にも自信を持って答えてくれた。余談になるが、共和国では農業含め労働者の定年が60才。その後は、国から社会保障が受けられる。また、60才前でリタイヤした人も社会保障が受けられる。
今回、共和国にバッシングが強い時期に訪問したが国内は至って平穏。学校帰りの子供たちの明るい声や酒場では賑やかに盛り上がっている光景など国民生活は経済制裁を受けているが街並には品物が並んでおり、日本の報道と随分ちがう印象をもった。
また、共和国は一党独裁国家というイメージだが、国内には4つの政党が存在し「綱領」も違うが、対立する関係ではない。むしろ、祖国統一は各党同じである。
最後に、朝鮮対文化連絡協会の黄局長から、「私たち朝鮮人は戦前・戦中強制連行で連れ去られた同胞に1957年から53年間、国家予算の一部を組んで日本にいる朝鮮人の民族教育を行ってはいるが、日本の援助は受けていない。しかし、日本は何ら予算も出さず文句だけ主張し民族教育を潰そうとしている。その内容は、〝同じ人間で同じ税金を支払うが権利は与えない〟〝文化・民族が違うだけで人間としての権利や教育権も与えない〟このような現状を知りながら容認するならば日本人もダメになる。 この状況を、皆さんの子供に置き換えて考えてください」と我々訪問団に別れの挨拶の中で述べた。
現在、日本と共和国は国交がなく信頼関係もない。当然、信頼関係のない状態での国交樹立はあり得ず、早期、国交樹立を目指すためには我々の果たすべき役割は非常に大きい。 (終)

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