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第44回定期大会を盛大に開催 

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部は10月19日、各界から多彩な来賓を迎えて第44回定期大会をエル大阪で開催。アメリカ発金融危機が資本主義の暗部を露呈する今こそ拡大のチャンスと確認。運動の成果・到達点を総括し、次年度の重点課題ならびに新たな運動方針・役員体制を満場一致で確立した。 【大会宣言】

大会開会に先立ち洋一副執行委員長から、生コン支部の政策運動を内外に発信してきた功労者辻本武史執行委員(機関紙宣伝部長)が本年6月に他界された事を報告し黙祷した。大会冒頭に、国際連帯を続ける関生支部の象徴として労働歌「インターナショナル」を合唱。
議長を旭生コン分会、ヨシケイ分会から選出して議事を進行した。大会運営委員長から当日の式次第等スケジュールの報告のあと、大会成立が宣言され、主催者を代表して武執行委員長が挨拶した。
武執行委員長は、まずアメリカのサブプライムローンによるバクチ経済の破綻で、多くの国民労働者が苦しんでいる現情勢は我々にとっては大きなチャンスであると訴え、春闘での6,500円賃上げの成果をはじめ、日々雇用・女性の処遇改善、NOx等コストアップ対策としての運賃引き上げ、ワシンレミコンや斉藤建材・バニッシュの権利侵害闘争の勝利解決、阪神地区生コン協同組合の結成、広域協の民主化要求、シャープ等大規模需要地の協同組合と近畿生コン輸送協との契約締結、反戦平和闘争等、一年間の成果実績が報告された。次年度の抱負については、組織拡大への明確なプロセスを指し示す決意を述べ、権利侵害闘争等全ての闘いが組織拡大に繋がると述べ、組織拡大を実現することにしか我々の存在感はないと激励した。さらに生コン業界のインとアウトの大同団結が、業界の前進の象徴であり、中小企業の砦となる会館建設への決意と業界のさらなる民主化を目指すことを決意し挨拶とした。
続いて大会は、各界来賓から連帯の挨拶を受け、祝電・メッセージを披露。特に来賓各位はグローバル化した世界で、地球規模で金融恐慌の恐怖に曝されている今、関生支部の労働運動に期待する旨のエールが多く寄せられた。
議案審議(1)として、書記長が08年度経過報告と09年度運動方針案を提起。昼食休憩をはさんで質疑応答となり、計18名の代議員から権利侵害反対闘争の勝利報告、正社員化実現の報告と更なる正社員化を求める運動、教育運動の実践、人員補充の実現、清掃事業の組織化、セクハラ防止等質疑。執行部の答弁を受けた後、満場一致で新年度運動方針案を採択した。

続いて、組織拡大・強化に奮闘する決議案、政治革新・国際連帯・反戦平和の実現に向け闘う決議案、権利侵害・全争議完全勝利のために闘う決議案、大会宣言案、大会スローガン案を提起し、採択。投票の結果、スト権と新役員体制を確立した。
組織拡大功労者の表彰で、北大阪A・京津B・東大阪B・北大阪Bの各ブロックが受賞。退任役員の紹介と感謝状授与の後、新たな組織の飛躍をめざして団結ガンバローを三唱して閉会した。

 定期大会 委員長挨拶

本日は休日にもかかわらずお集まり頂きありがとうございました。
今の時代状況はグローバリズム。経済、政治、軍事等すべての分野において国境を越え、地球的規模で富と権力の蓄積がなされています。我々生コン労働者がしっかり団結するだけでなく、世界中の労働者の共通の課題として、支配層の差別、抑圧、戦争政策に対し、団結して闘わなければなりません。開会に先立ち「インターナショナル」を斉唱しましたが、この歌は「万国の労働者よ団結して闘おう」という歌です。この歌を定期大会の冒頭に歌うことは国際連帯を続けている我々の誇りであり、象徴なのです。

まず08春闘は思い切り闘いました。ストライキや大衆行動を展開し、6,500円の賃上げを勝ちとりました。この金額で満足はできませんが、しかし納得できる春闘だったと思います。
この1年の闘争成果として特筆すべきことは、
①日々雇用の労働者の賃金引き上げとトランスポートやベストライナー等、正社員化への人員補充闘争が進みました。

②女性の処遇改善と政策・制度要求を実現しました。現在女性専用トイレ、生理休暇、セクハラ防止等、女性パワーを発揮して運動を発展させています。女性が自らの要求を社会や労働組合に発信し、それが多くの人の共鳴を得て発展していく。女性からの発進は世の中を変え、労働組合をまともにしていくのです。全力を上げて女性部を応援していきたいと考えています。

③NOx・燃料高騰・賃上げ等のコストアップ対策として、運賃の引き上げを要求し協定化に成功、労働協約実現行動を展開しました。現在多くの職場でこの協定書を履行しています。

④権利侵害反対闘争としては、和歌山ワシンレミコンや斉藤建材・バニッシュ等、勝利解決することができました。

⑤中小企業による中小企業のための協同組合化運動として、未組織の50社以上による阪神地区生コン協同組合が結成されました。これはほとんど労働組合のない未組織の経営者を束ねたというところに大きな意義があります。

⑥広域協が大企業の支配の道具にならないように、相互扶助の精神で中小企業の利益にかなうような運営ができるよう民主化を求めてきましたが、この運動に一定の成果をあげることができました。

⑦シャープやパナソニックの大きな需要地では協同組合と近畿生コン輸送協との集団的な契約を締結し、50,000円まで運賃を上げることに成功しました。

⑧反戦・平和闘争としては、
a)文科省に対し、沖縄戦についての高校歴史教科書検定意見撤回を求める署名、
b)反戦映画「アメリカばんざい」の共同製作、
c)G8洞爺湖サミット抗議行動、
d)韓国の仲間との国際連帯行動等、我々国民・労働者の正義の怒りを力に変え、組織を上げて取り組みました。

問題提起 組織拡大について
次年度の抱負:
形式主義を改め、責任をもち具体的な方向性を


①数々の実績の割には組織拡大が進んでいません。200名強の拡大はありましたが、この程度では現状維持が精一杯です。これは私も含め常任の責任です。方針を垂れ流すだけで検証が十分なされていない。このような形式主義を改めないかぎり成果があっても組織拡大に結びつきません。組織拡大については、組織部、教育部、青年部等各専門部やブロックがありますが、これらは全部有機的に繋がっています。人間の体がすべて有機的に繋がっているのと同じです。組織部に任せておいてはいけない。組織を強く大きくしなければ今の制度は、いつ剥奪されるか分からないのです。例えば05年1月に大谷・旭光事件で、私を含め役員が逮捕されましたが、その後何がおきたのでしょうか?土曜稼働、袋洗い、生コンの値下げとセメントの値上げ等、ゼネコン・セメントメーカーが巻き返して天下をとったのです。しかし組織が強く大きくなればこんなことは出来ないし許さないのです。我々の存在感は、組織拡大によって示されるのです。我々が獲得してきた労働条件は、時に仲間が殺され、時に不当逮捕されても闘い抜いたなかで勝ち取った、血と汗と涙の結晶なのです。これを守り発展させていくには組織の拡大しかありません。新体制の元で、組織拡大実現の明確なプロセスを示していきます。具体的な方向性を執行委員会で明確に打ち出し皆さんの期待に応えるようにします。

②この数年間、権利侵害闘争が非常に鈍い。我が組織は一人の仲間の権利侵害でも束になって反撃してきました。今後各ブロックに限界があれば、支部全体が力を合わせて電撃的な反撃を強力に実行していきたいと思います。

③日々雇用は退職金がなく、年収も本勤に比べて低い。日々雇用の年金制度の問題でも要求を出して終わりではいけない。すぐには実現できないかもしれないが、全力を尽くして取り組んでいく。その姿を組合員が見て我々に信頼を寄せるのです。例えば近畿バラセメント輸送協同組合には基金制度があります。この制度を参考に近バラから日々雇用の年金制度に穴を開けることも可能ではないかと考えるのです。突破口を開きやすい所が、まず最善を尽くし良いものが出来ると、他の所にも影響を与えていく。そのように問題意識を持って欲しい。「やります」というだけでなく、不十分でも近づけていく姿勢が大切です。新たな体制では結果を得られるように最善を尽くしていきたいと考えているのです。

④組合運営につては、組合員が何を目的に動員に行くのか分かっていないケースをよく耳にします。その行事の目的は何で、獲得する目標は何か等、しっかり説明すると事前と当日と事後の取り組みが組合員の期待に沿うことになります。さらに獲得した成果も充分に組合員に伝えて欲しい。来年に向けパンフレットやDVD映像などを活用し、広報宣伝活動を充実させてください。

社会情勢について
情勢は我々を求めている。市場原理主義はもう破綻し、共生・協同型の経済が今求められています。1,000万人を越すワーキングプアと言われる年収200万円しかない人の雇用安定のために、最低賃金制度を大幅に引き上げることを提案したい。今のような非正規雇用労働者を絞り上げるという方法から、大企業の儲けを中小企業に吐き出させるという中で我々の要求を実現していくのです。
そして選挙が近いと言われています。アメリカ型の社会を続け大企業が中小企業・商工業者・農民、そして労働者をいじめるような政治を今後とも続けるのか否か、これが総選挙の争点です。

生コン業界の情勢
生コン業界ではアウトとインの大同団結が大きく進んでおります。今後、新しい技術開発、広報活動、環境保全の取り組み、教育制度等をコスト要因として認識する。さらに中小企業の砦である会館をつくり上げていきます。最後に業界の民主化を実現することが生コン業界の向こう1年間における重要なテーマです。我業界の刷新と労働者の雇用・労働条件の改善、政治の革新に向け、そして権利侵害反対闘争・組織拡大に全力を尽くす1年でありたいということを申し述べてご挨拶に代えさせていただきます。本日は大変ごくろうさまです。
連帯ユニオン議員ネット