映画「アメリカばんざい」藤本監督独占インタビュー 藤本幸久監督(プロフィール) 1954年、三重県生まれ。早稲田大学卒業。
この映画を撮ろうと思ったのは3年前。その時期、一部の政治家やマスコミが「戦争ができる普通の国になって国際貢献するべきだ」 「それが日本のいきるみちである」と世論を扇動し結果的に国民投票法案が制定された。そして3年後には改憲の提案がされるという状況であった。そのときには、戦争放棄を謳った憲法9条や生存権を保障する憲法25条が焦点になるだろうと予想された。いずれにしてもその判断を迫られるのは国民だ。
ブートキャンプに送られて戦争に行くアメリカの若者の殆どが労働者階級出身。なかでも貧困層や失業者が多い。海兵隊のリクルーターのあまい言葉につられて、あたかも派遣労働者が派遣されるごとく世界各地の戦場に送られていくアメリカの若者たち。この作品は、戦死あるいは戦場での過酷な体験のトラウマ(PTSD)に悩み、社会からも孤立してホームレスに墜ちていった帰還兵の現実を、帰還兵やその家族の生の声をとおして唱える反戦ドキュメンタリー映画である。 |