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講演会
「民主主義と自治を守る闘い」
 6月23日エル大阪南館ホールで自主・平和・民主のための広範な国民連合・大阪が前山口県岩国市長の井原勝介さんを招き講演会を開催した。
井原さんは、岩国市を取りまく状況と米軍基地がもたらす問題点を明らかにした。
1.住民投票による明確な民意で基地拡張に反対
岩国市は、米海軍航空基地があり、日米地位協定にもとづき米軍再編がすすめられ、厚木基地から航空母艦艦載機部隊(スーパーホーネット等59機)と普天間基地からKC-130空中給油機(12機)が岩国へ移駐する計画が持ち上がった。
これを受け入れると航空機が一気に2倍(120機)、人員が1万人(4,000人増)になるため、今でさえ米軍基地による負担が市民に強いられているのにこれ以上の負担を求める政府の計画に市民上げて反対の声があがった。
今以上の基地強化は容認できないとして、移設反対の住民投票が2006年3月に行われ投票率58.68%、内89%が受入れ反対となった。同年4月の市長選挙でも移転反対を掲げた井原市長が再選された。

2.反対運動にたいして政府が巻き返し
 政府は、住民投票を受けて再選された井原市長に巻き返しを開始、露骨なアメとムチの画策が行われた。市長は住民投票の結果を持って防衛庁に申し入れたが、それまで面会していた防衛庁長官が面会を拒否し、局長も課長も会わない、担当官が申し訳程度に面会する姿勢であった。その後も、受入条件を提示したが具体的な話し合いも拒否された。防衛庁は、政府案通りに移転を容認するよう圧力をかけてきたのである。
その一つが新市庁舎補助金約35億円を突然カットするという、明確な約束違反が公然と行われた。(1期・2期工事分は支給され工事途中で突然のカット)
また、県が行った愛宕山の一般住宅建設開発が頓挫したため、跡地を国が買い上げて米軍住宅を建設する計画が持ち上がった(県開発の失敗を国に押しつける)。市街地の中に米軍住宅が存在する危険性が高まったのである。
市議会の保守派を中心に反対姿勢から米軍基地拡張を容認する方向に豹変し、新市庁舎補助金カットをめぐり予算案を4回否決、井原市長は昨年12月に5回目の予算と引換えに辞職。市長選に再出馬するも、国や県、各種団体や企業のデマと誹謗中傷、圧力や締め付けという露骨な選挙妨害を受けて僅差で敗北。基地容認派市長が当選。
議会は、市民の声を無視し、民意をねじ曲げた。民主主義が機能しなかった。
市長選では、井原市長が落選するなら国を挙げて手段を選ばず、バラ色の公約を掲げ市民に強引な利益誘導を行ってきた。
3.民主主義と自治を守る闘い
日米地位協定では、米兵の犯罪が起こった時に日本の捜査権が及ばない。基地の中に逃げればやり得。強姦、殺人など重要事件は米軍の協力のもとで取り調べと裁判はできる。
岩国基地の米兵婦女暴行事件で広島県警は、起訴もできなかったが、米軍事裁判で米兵は有罪になった。
岩国市は、基地依存しなくても大手製造工場もあり産業基盤もしっかりしている。新幹線も高速道路も通っておりインフラも整備されているので、基地に依存しなくてもやっていける。最近は、工場生産も上がっており、求人倍率も高い。
岩国基地への国の補助金がこれまで700億円が投入されている。しかし、防衛庁の補助金で道路建設すると国土防衛が最優先なるので街灯も付けられないこともあり、補助金が何でも使えるものではない。
政府は、「国防は国の専管事項」であるとして基地拡張を強引に押し通すが、市民は納得出来ない限り容認は出来ない。平穏な生活を求める基本的権利は侵してはならない。
この問題は一自治体の問題ではなく、国と地方のあり方や民主主義と地方自治に関わる問題である。
4.戦いはつづく
 自由な市民の意志が尊重される新しい民主主義(市民主義)の政治を実現するため、4月1日「草の根ネットワーク岩国」を設立した。(代表・井原勝介)
引き続き、市民の立場から空母艦載機部隊の移駐と愛宕山の米軍住宅化に反対し、米軍再編の容認が条件となっている民間空港の中止、基地に依存しない街づくり、子育て支援から教育、高齢者や障害者福祉など「人づくり」を大切にする政策をすすめていく。
連帯ユニオン議員ネット