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「直前東京行動集会」での講演(要旨)

「G8サミット」とは何か  
              スーザン・ジョージ 

 このような印象的な集会で発言の機会を与えていただいたことに感謝します。
今日ここに集まっておられる全ての方が次のことに同意できると思います。つまリG8というのは違法かつ不当な存在なのであって、自らが勝手に指導者だと名乗っている人たちの集まりだということです。このG8に集まっている国は地球上の人口のわずか14%を代表しているに過ぎません。この人たちは自分たちが世界を代表しているかのごとく行動していますが、それは、75年に始まった慣例により、そう振舞っているのです。最初に開催されたのは、第一次石油ショックの直後でした。 これは南の諸国や貧しい諸国が世界の支配システムに対して反対の声を上げたり、抵抗するのを押さえることを目的としていました。このG8に集まっている国は、世界の軍事支出の4分の3をこの8カ国だけで占めています。また世界経済の生産量の3分の2を占めています。 そうした力を維持したいと考えています。そういう意味で彼らの存在は非民主的で違法な存在です。 また、このG8の指導者たちは物事を一度も予測できたことがありません。彼らは気候変動を予測できませんでした。90年代後半に主にアジア地域を襲った最初の金融危機に対しても、危機を予見することができませんでした。私たちが現在、目前にしている金融危機についても彼らは予見できませんでした。しかし、この20年間、G8諸国は金融市場を規制するのではなく、全く逆に金融市場を穏和してきました。その結果、第二次世界大戦後、最も深刻な金融危機を目の当たりにしているのです。
そして今日、私たちが直面している食糧危機について予見できませんでした。この危機によって、これまで貧困であった人たちに加えて1億人以上の人が貧困層に陥りました。この食糧危機に対する彼らの解決策が、食糧を作るための土地を燃料のための土地に変えることだというのです。食糧に変えてバイオ燃料を作る。これ自体、環境に対しても非常に有害です。
現在のシステムでは、民主主義が国境の中にとどまって国境を越えることができません。しかし、実際に世界で解決しなければならない問題は、一つの国ではなくてもっと大きな地域、あるいは地球全体で解決されねばならない問題です。世界規模の問題を解決するために、国際規模での民主主義が必要とされています。私たちは重要な課題に直面しています。温室効果ガスを90年の基準にして100%減らさなければならないのです。米国の書名な気象学者ジェム・ハンセンは次のように述べています。「私たちはG8の指導者を環境破壊と人道に対する罪で問わなければならない」。実際に、京都議定書においてもバリ環境会議においても実現されたものはありません。私たちは現在、世界の多くの地域を襲っている飢餓が、食糧に対する投機によってひき起こされていることを知っています。国際的な投機資金が不動産に対する投資パフルが弾けた結果そこで回っていた投機資金が食糧に回っています。国際的な課税のシステムを通じた富の再分配、最貧国の債務の帳消し、タックスヘブンの廃止が必要です。タックスヘブンとは、つまり金持ちや大企業が税金を払わなくても済むシステムですから、その廃止が必要なのです。  ここで一つだけ注意したいと思います。G8というのは非常に不当な違法な存在ですけれども、非常に多くのメディアを惹きつけます。私は日本のメディアの所有形態は全く知りませんが、欧州や北米のメディアは、新自由主務に対して人々が抗議したり抵抗することを、明らかに潰すという意図を持っています。 私は皆さんにメディアにそうした絶好の機会を提供しないようにしていただきたいとお願いしたいのです。そうした行為ではなくて、私たちの力、私たちの笑い、私たちの歌、私たちの連合を通じて世界に訴えていく。G8を終わりにする。日本にG8の墓を建ててやろうではありませんか(拍手)。私は、今日のこのお祝いに招かれたことに改めて感謝したいと思います。私が日本における重要な集会に参加し発言できたということは、非常に名誉なことです。
みなさん、本当にありがとう。

連帯ユニオン議員ネット