2020年版経営労働政策特別委員会報告


内部留保を賃金底上げ・労働条件向上に使おう

経団連が20春闘に対する基本的考えを発表

日本経済団体連合会(経団連)の基本的な考え方を示す「2020年版経営労働政策特別委員会報告」が1月21日、公表されました。

記者会見で大橋徹二経団連副会長(同特別委員長・コマツ会長)は、「働き手が組織や仕事に主体的に貢献する意欲や姿勢を表す概念である『エンゲージメント』に着目し、それを高め、価値創造力を向上させることが重要」と述べ、企業との一体化を意味する「エンゲージメント」をキー概念とし、労働者の企業と仕事への『没頭・埋没』が「企業の価値創造力の向上」の必須要件と強調しました。
「エンゲージメント」とは「個人と組織が一体となり双方の成長に貢献し合う関係」などと訳されていますが、経団連の言う「エンゲージメント」は、労働者に「資本家の心」を持たせることに他なりません。
労使関係と「エンゲージメント」の関係については、「労働組合が関与しない個別的労使関係は『エンゲージメント』喚起に役立つ」としています。そして、春闘を目の敵(かたき)にし、「『横断的な春闘』はけしからん」と言っているのです。
1955年に始まった春闘は、企業別労組が個別で闘っても成果があがらないので、「産業別統一闘争」として闘ったものです。経団連は春闘を「仮死状態」にするのが狙いで、「資本の理論」を国民にすり込み、集団的労使関係を潰したいのです。
 

莫大な内部留保  (参考データ)

大企業を中心に、企業は巨額の内部留保をため込み、その額は年々増えています。内部留保が増える大きな原因は、労働者の人件費削減や下請け単価の切り下げなど中小企業に対する収奪です。
財務省の法人企業統計によれば、18年度の内部留保は全体で692兆円に上り、前年度より25兆円も増えています。
大幅賃上げ、時間外手当の適正な支払い、年休の完全取得、週休2日制の完全実施、非正規雇用の正規化、最賃1500円への引き上げに必要な財源は、内部留保で十分まかなえます。内部留保を、賃金や最低賃金の引き上げ・全国一律最賃制の確立をはじめとする賃金底上げ、均等待遇の実現、賃下げにならない労働時間短縮、人員増に活用させることで貧困解消、格差是正、労働者の権利保障が確立し、国民の生活安定につながるのです。
「内部留保を労働者や国民に還元し、日本経済の健全化と発展を構築する」ということは労働組合のまっとうな主張であり、正当な要求なのです。

行動で要求実現を
20春闘では、要求実現のためのストライキなど労働組合があらゆる行動を展開して勝利するまで闘いましょう。春闘に勝利することが安倍政権を打倒し、経団連の画策を破壊することにつながるのです。

 


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