基地のない平和な世界を願い
5月16日から19日にかけて、第48回5・15平和行進が沖縄で取り組まれ、全国から約2000人の労働者市民が、沖縄の街を練り歩いた。
5・15平和行進は、沖縄の本土復帰が行われた5月15日前後に本土復帰の意味を問い直し、基地のない平和な世界を求めて実施される取り組みである。全日建は、全港湾、全国一般全国協とともに三単産でグループを形成し、平和行進に参加した。
戦争体験の継承現地で学習して
16日、沖縄平和行進全国結団式が開催され、約800人が結集した。
基調講演として、平良次子さん(対馬丸記念館館長)が講演した。
平良さんは、陸軍病院南風原壕が文化財指定されて現在に保存される経緯や、学校での平和学習を通してのエピソードを述べ、戦争体験の歴史継承の困難と重要性を強調した。
続いて、主催挨拶として、実行委員会共同代表の多和田栄子さん(社民党副代表・那覇市議会議員)が発言した。多和田さんは2004年の沖国大墜落事故の時に、宜野湾市の職員としてかかわった事故当時の体験を述べ、日米地位協定の実態を伝えた。
さらに共催挨拶として、丹野久さん(平和フォーラム共同代表)が発言した。丹野さんは、西田昌治の歴史否定発言やロシア-ウクライナ、イスラエル-ガザ、インド-パキスタン、ミャンマー、スーダン等世界で戦争が広がるなか、即時の停戦を求め、憲法改悪をさせないために、平和フォーラムと労組の闘いが重要であることを述べた。
次に、全港湾・全日建・全国一般全国協の三単産結団式が行われた。
全港湾沖縄地本の諸見書記長は、沖縄の本土復帰のころのエピソードを披露したうえで、三単産から参加した77名の若い仲間が平和行進を通して現地で様々なことを感じ、そして団結を深めて欲しいと挨拶した。さらに各参加単産、地域から元気よく決意表明がなされた。全日建からは、反弾圧闘争の経過を報告、全国からの支援への御礼を述べた。
全国から結集し平和を訴え行進
17日、平和行進が約2000人の参加で行われた。我々三単産の部隊は沖縄戦で激戦地となった嘉数高台を出発し、普天間基地の外周に沿って北谷へと抜けるコースを歩いた。
当日は、30度の気温で参加者は額に汗して約12キロメートルのコースを歩ききった。
右翼の街宣車が進軍ラッパを鳴らし挑発を繰り返したが、平和行進団は一切挑発に乗ることもなく、沿道の市民に手を振り、シュプレヒコールを上げ続けた。地元の高校の校舎や道行く地元市民からはエールが送られて、平和行進団が歓迎されていることを感じられた。
15時ころ、デモ隊は県民大会の会場である北谷の野球場に到着した。県民大会では、来賓として玉城デニー知事が登壇し「忌まわしい戦争の記憶を風化させない。東アジアを再び戦場にしない。沖縄戦で得た教訓を正しく次世代に伝え、平和を希求する沖縄の心、うちなーのちむぐくるを世界に発信し、共有を共に呼びかけよう。」と訴えた。
夜は、全港湾沖縄地本の事務所でバーベキュー大会を開催していただいた。
仲間と学び合い戦争の現実知る
18日、三単産の一団は、戦跡や基地の視察学習を行った。午前中は、激戦地となった嘉数高台、嘉手納基地を一望する道の駅嘉手納、新基地建設が進む大浦湾を望む瀬嵩の浜を周った。午後から、沖縄平和記念資料館、ひめゆり資料館を見学した。
夕食懇談会では、全港湾の仲間が、ひめゆり資料館を見学した感想として、父親として自分の子どもたちがひめゆり学徒隊のような目に合ったらと考えるととてもつらいと、視察の感想を述べたことが印象的であった。
4日間の行動を通して、沖縄現地で基地の実態を感じることができ、また三単産の仲間と交流を深めることができた。
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