関生太鼓


被災地の一日も早い復興を願う

フクシマ連帯キャラバン報告

今年で14年になる東日本大震災と福島原発事故。3月12日から15日まで、「フクシマ連帯キャラバン」が開催され。全港湾・自治労・解放同盟・日本社会主義青年同盟(社青同)原水禁・全日建の仲間が結集しました。

フクシマ連帯キャラバン1日目、グランパークホテルで結団式が行われました。

悲惨な原発事故を風化させない運動

全港湾小名浜支部 渡邉氏の司会で始まり、主催者原水禁の近藤氏は、30年前、阪神淡路大震災での大きな災害、職や住む場所も失うという大問題がありました。そして14年前、東日本大震災で津波がおこり福島原発事故につながりました。津波によって福島第一原発は水素爆発が発生し、地域全体に放射能が広がり住めない場所が拡大し、被害の大きさが大問題になりました。当時の自民党でさえ脱原発を言っていましたが、第7次エネルギー基本計画が閣議決定され、原発の新設や老朽原発の再稼働に舵を切った現政権。原発事故を風化させない取り組み、脱原発を通じてキャラバンを成功させると挨拶がありました。
全港湾27名、全日建4名、自治労3名、解放同盟3名、社青同1名、原水禁2名がキャラバンへの想いをひとことずつ発言して、全港湾東北小名浜支部・松村キャラバン隊団長の団結ガンバローで結団式が締めくくられました。

事故は震災ではなく対策を怠った人災だ

2日目、福島第一原発から4キロ離れた地点にある東日本大震災・原子力災害伝承館を見学しました。そこには、様々な展示物があり、原発事故について「対策を怠った『人災』である」とはっきり表記されていました。 その一方で、いろんな企業が技術の粋を尽くして復興に向かっていますよというアピール。「福島イノベーション・コースト構想」という先端産業の集積を推進するビラには、「そこは、チャレンジのフィールド」という標語が掲載されてあり、「事故で地域を無茶苦茶にしておいて、チャレンジって何やねん」という怒りが湧いてきました。
その後、福島県双葉郡浪江町の震災遺構・浪江町立請戸小学校を見学。請戸地区は漁港と農業が中心の人口1700名ほどが住んでいた地域でした。
しかし、3月11日に発生した、6メートルの津波でほぼ全住宅が流されました。津波緊急避難無線が入って10分後には、請戸小学校に津波が襲ってきましたが、小学校の全校生徒と教員は、約1キロ離れた大平山に避難して、大事に至りませんでした。生徒が大平山へ行く近道を選択していなかったら、全員津波に巻き込まれてたところでした。
東京電力廃炉資料館を見学。この資料館は2018年11月30に開業。事故を起こしたことへの謝罪と反省が強調されていました。しかし、今の東電は反省している振る舞いとは思えません。原発事故の被災者支援のことには一切触れていませんでした。

国と東電に責任追及賠償だけですまない

3日目、福島原発事故津島被害者原告団の石井さんの築150年の古民家である自宅で話しを聞きました。石井さんはこの津島地区に嫁いで40年。親の転勤で日本のあちらこちらに住んで故郷という場所がなかったそうです。
津島地区は、人と人との繋がり、思いやり〝結〟を大切にする地区であり、福島第一原発から約30キロの津島は約450世帯1400人が住んでいましたが、高濃度の放射能汚染のため帰還困難区域にされて、はじめてできた故郷という場所を原発事故で奪われ、14年が経過しました。コミュニティを壊され、今も苦しんでいると話されました。
2015年9月、津島の住民の約半数で原告団を結成し、国と東電を相手に原状回復と損害賠償を求めて福島地裁に提訴しました。2021年7月に出た判決では国と東電の責任を明確に認め断罪するも慰謝料165万円/人など総額約10億円の賠償のみです。仙台高裁に控訴し、現在も争っています。

原発事故を教訓に原発依存から脱却

4日目、福島駅前でキャラバン参加者で街宣と署名行動を取り組みました。
その後、パルセいいざかで開催された『2025原発のない福島を!県民大集会』に参加しました
東日本大震災の犠牲者に哀悼の意をこめて黙祷から始まりました。
実行委員長の角田さんは「福島の原発事故の裁判で、最高裁は東電の被告人に対して、一審二審の無罪判決を支持した。これだけの原発事故を起こしても責任を取る者がいないのはおかしい。第7次エネルギー基本計画で、原発をフル活用すると政府が発表している。原発依存からの脱却、原発事故の教訓はなんであったのか、若い世代に伝え原発事故を風化させないことが重要だ」と挨拶されました。
続いて、福島大学学長補佐の小山さんの講演会が行われました。
小山さんは「原発事故は津波や地震の被害では無い。原発事故発生から14年が経っても農地の66%が使用できない現状である。 原発廃炉政策に伴う住民や被害者同士、地域のコミュニティが分断され、双葉町の帰還率は2・6%と低迷している。原発事故の教訓は再稼働と避難計画、除染土の県外排出、廃炉計画の実効性が問われる」と話された。
二本松営農ソーラー㈱近藤さんは、営農ソーラーに着目し、農地にソーラーパネルを設置した。ぶどう畑では、ソーラーパネルでぶどうの着色が改善されたといい、水稲の高温障害回避など副収入や地域が主導し自治力、運営能力が高まるとパワーポイントを使用して説明がありました。

共存できない原発自然エネルギーへ

現政権は、第7次エネルギー基本計画で原発推進へと舵を切っています。誰かの犠牲のもとに成り立つエネルギー政策ではなく、地域に寄り添い、一人ひとりの暮らしが大切にされる環境にやさしい安全な自然エネルギーへの転換が求められています。

 

 


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