持続可能なエネルギー政策とは逆行
7月22日、関西電力が福井県の美浜原子力発電所の敷地内で、次世代型の原子炉への建て替えに向けて、地質調査などを再開することを正式に発表しました。
国と電力会社がエネルギー政策の転換を掲げ、原発の「最大限推進」を打ち出すなか、地域市民や各地の労働組合からは「福島の教訓を忘れたのか」と声が上がっています。
国が説明する原発新設は、確かに一部で経済効果や電力安定供給の期待があるかもしれません。しかし、そのメリットは重大なリスクの前では霞んでしまいます。
安全神話が崩壊した
最も懸念されるは、その安全性です。福島第一原発事故は、自然災害が如何に予測不能な悲劇を引き起こすかを見せつけました。地震多発国である日本で、活断層の存在を無視し、最新技術をもってしても、地震、津波、テロといったリスクを完全に排除することは不可能です。一度でも重大事故が発生すれば、その被害は計り知れず、私たちの生活基盤、ひいては命そのものを奪いかねません。安全神話はすでに崩壊しているのです。
次に、核のゴミ問題です。高レベル放射性廃棄物の最終処分場は、いまだに決まっていません。新たな原発を建設すれば、それは新たな「負の遺産」を将来世代に押し付けることになります。私たちの世代が享受する電力のために、未来の子どもたちに危険なゴミの管理を負わせることは、無責任としか言いようがありません。
さらに、経済面からも疑問が噴出します。原発建設には莫大な初期投資と長期の建設期間が必要です。運転開始後も維持管理費や廃炉費用が高額で、万が一の事故が発生した際の賠償費用を考慮すれば、決して安価な電源とは言えません。高コストでハイリスクな原発に固執することは、持続可能なエネルギー政策とは正反対の道を進むことになります。
そして、私たち労働者にとっても、労働リスクは深刻です。原発事故時の被ばくや劣悪な作業環境による健康被害は、過去の事故からも明らかです。
原発事故を発信する
私たちは、福島第一原発事故の教訓を風化させず、危険性を訴え続けなければなりません。
日本のエネルギーの未来は、一部の利権者だけの思惑ではなく、市民の安全と未来への責任の上に築かれるべきです。
この無謀な計画を阻止するために全国から声を上げ、行動しよう。
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