福島第一原発フィールドワーク


福島第一原発フィールドワーク

福島原発事故を風化させるな
1月12日から13日にかけて平和フォーラム主催の「福島第一原発フィールドワーク」が開催された。中間貯蔵施設や福島第一原発内を見学。原発の現状を学習しました。
 
第一原発事故から10年以上経過した今、人々の記憶から原発事故が消されようとしています。これは、時間の経過による風化だけではなく、国と東電は意図的、政策的に原発事故の記憶を消してしまおうとしているのです。また、事故で崩れ去った安全神話を、コスト低減、電力需要など「必要性」という理由だけで停止中の原発を再稼働。原発事故の悲劇を再び繰り返そうとしています。

福島原発を訪れて、被災地の現状知る

今回、フィールドワークに参加し、自身で実際に見て、聞いた福島原発の現状を報告します。
中間貯蔵施設とは、福島県内で除染に伴い発生した土壌や廃棄物などを(建物や住宅)最終処分するまでの期間、一時的に保管する施設です。保管するといっても建物のなかに厳重に保管されているわけではなく、除染処理を終えた土壌を主に大熊町と双葉町の田畑や住宅、施設の跡地を利用して保管しています(詳細は中間貯蔵・環境安全事業株式会社ホームページ記載)。
実際に見学して、除去土壌などの量に驚きました。その量は東京ドームの11倍に相当する約1400万立方メートルもあるのです。10年以上が経過しても人々が事故以前の生活をするにはほど遠い期間がかかることは、説明をするまでもありません。かつてそこには様々なコミュニティーがあり、人々が生活をしていた場所だったのかと思うと、どこか違う国に来たのかと錯覚を起こすぐらいの風景に変わっていました。
私は、原発事故後何度か福島を訪れましたが、今回初めて福島第一原発の施設内を見学することができました。施設に入る前には、携帯電話の持ち込みを禁止するなど、多くの注意事項があり、完全監視体制のなかで東電のバスに乗り込み、テレビやネット動画で見たことのある水素爆発を起こした1号機の前にバスが到着しました。見学者用にステージが設置されていて、バスを降りてから20分ほど東電関係者の説明を聞きました。その場所は未だに高い放射線量で長時間滞在するのは危険だと聞きました。ふと下を見ると防護服を着た廃炉作業員の姿がありました。下請けとして働いているのでしょうか。常時、5~6次下請け業者が作業しており、このような環境で働く労働者の健康状態が気になります。国や東電が唱えている「原発=安全」は、現実とはかけ離れているものだと強く感じました。

汚染水海洋放出に大きな非難広がる

最近では、トリチウムを含む放射能汚染水を海洋放出するとして日本国内のみならず、海外からも大きな非難の声が上がっています。
原発事故を原因とする高濃度放射性物質を含む大量の汚染水は、原発建屋近くのタンクに保管していますが、これ以上保管することは不可能であるとして放出しようとしているのです。
技術的に取り除くことができないトリチウム(三重水素)以外の放射性物質を取り除き十分に稀釈したうえで放出するとしていますが、放射性物質を確実に取り除けるかどうかははっきりとしていません。タンクに貯蔵した水について東電のホームページでは「複数の設備で放射性物質の濃度を低減する浄化処理を行い、リスクを低減した上で敷地内のタンクに保管」と記載しています。あくまで低減であり完全ではありません。
簡単にいえば、「濃いものを薄めて基準値以下にすれば安全」、またこの汚染水を「除染された水」としてALPS処理水とし、あたかも放出しても問題ないと国や東電は印象操作を行っているのです。このような暴挙を許すわけには行きません。

復興は多大な時間
多くの問題を抱える福島。少しずつ「復興」に向かってはいますが、まだ30~40年程度の期間がかかるという見通しです。
避難を余儀なくされている人たちの故郷への帰還はいつになるでしょうか。私たちはもう一度、福島について考え行動する必要があると思います。


 

福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia

福島第一原子力発電所事故 - YouTube

 


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