命と安全を守る4・29集会
2005年4月25日に発生したJR福知山線の脱線事故から17年が経過しました。この事故を風化させていはいけないと、4月29日、尼崎市の小田南生涯学習プラザで「ノーモア尼崎事故「生命と安全を守る4・29集会」が開催されました。
尼崎脱線事故を風化させない
集会の冒頭、この大事故の原因は、JR西日本が安全確保よりも利益を優先。過度な労働条件、過密なダイヤ、日勤教育という名の罰則を設けたことにより、運転手が精神的に追い詰められ、スピード超過を起こさざるを得なかったことが事故の要因と指摘しました。
また国労の組合員からは「コロナ禍のJR西日本・疎外される交通弱者と安全」と題したテーマで、JR西日本の利益優先主義は改善されていないなどの現状を報告。次に安全研究会からは「JR北海道のローカル線廃止は消滅の危機」というテーマでJR北海道の現状が説明されました。「全国に鉄道ネットワークを構成するJRグループ各社が、国鉄から民営化されたとはいえ、公共交通機関としての使命を忘れ、利益を追及する体質が福知山線のような大事故に繋がっていく」と指摘。
また遺族からの訴えでは、通学のため4両目に乗っていた青年が事故に遭遇。けがは首の捻挫でしたが、くの字につぶれた2両目の惨状を目の当たりにし、2ヵ月後、パニック障害を起こし、心的外傷後ストレスを発症。事故から3年5ヵ月後に自ら命を絶ちました。
青年の母親が事故現場に建てられた慰霊塔に、息子の名前を刻むようJR西日本に求め続けましたが、その願いは今も叶っていないと報告されました。この亡くなった青年は事故の犠牲者であるとJR西日本は真摯に受け止めなければなりません。
起きてから気づく安全確保の必要性
連帯挨拶では、なかまユニオン、関生支部、JAL争議団の代表者から闘争報告。関生支部からは「18年から始まった権力弾圧の滋賀の事件では、建設現場における労働者の安全確保のためのコンプライアンス活動が犯罪とされて、多くの組合員が逮捕・起訴された。しかし、この事故と同じで安全確保のルールを守らないことで大事故が発生した。関生弾圧に対する支援の輪が全国的に広がり、ここ兵庫県でも支援する会を立ち上げてもらった。関生支部は弾圧に負けない。これからも共に頑張ろう」と訴えました。
建設現場に対するコンプライアンス活動を理由とする刑事弾圧と、17年前の福知山線脱線事故は、いずれも大企業優位政策をとる政権の本質を示しており、関生支部をはじめ労働組合は労働者の安全と利益を求め、弾圧を跳ね返し、労働運動に邁進しなければならないことを再認識できた集会でした。
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