これでいいのか


これでいいのか

公言を翻したIRに住民投票を

大阪府・市が大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」への誘致を目指し、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)「区域整備計画」が3月末の府・市両議会で承認された。国への提出期限4月28日には申請がされ、秋頃には国の判断が出される。 

対策費用788億円

大阪IRは、大阪維新の会が「成長戦略の柱」とする看板政策であり、松井市長や吉村府知事は「民間が投資をする」「税金は一円も使わない」と公言していた。
昨年12月にはIR事業者のMGM・オリックス企業連合と作成した「区域整備計画」案を公表。府・市両議会の議決だけを残す最終段階になって松井市長は「夢洲の土壌汚染や液状化などの対策費用に788億円を負担する」と表明。これまでは、同じ人工島「咲洲(さきしま)」や「舞洲(まいしま)」の埋立地の売却や賃貸する際に、土壌汚染など何があっても市が責任を負わないという規定を明記してきた。
ところが松井市長は手のひらを返すように「IR施設は多数の観光客が来場するので、市には土地所有者の責任がある」「財源は一般会計ではなく特別会計(港湾事業会計)から運用する」と釈明して大阪市の財源を拠出することになった。

再公募するしても1社だけ

20年3月に事業者を公募したところ、手を上げたのは米国のカジノ大手MGMとオリックスの企業連合だけだった。さらに21年3月に公平性を保つため再公募を実施。しかし、応じたのは20年3月と同じ事業者だった。
本年2月15日、大阪府・市はIR事業者と「基本協定」を締結し、そのなかに重要な規定が記された。「地盤沈下」の対策、「地中障害物の撤去」「土壌汚染対策」「液状化対策」などについて大阪市の負担とする。2つ目に「基本協定の解除」について、認定を得た30日後に協定解除の是非を判断することができるとした。コロナ禍で海外から観光客が呼び込めないなど収益が上がらないと判断すれば「降りる」ことができるのだ。業者が自己都合で撤退したときの違約金が6億5千万円なのに大阪府・市は35年契約に縛られ、途中解約は巨額の賠償金が発生する不利な契約だ。
このコロナ禍でIRの開業は22年から29年秋頃に延期された。大阪府・市と大阪IR社との契約は35年でさらに30年延長が可能になっている。初期投資が1兆8百億円で、来訪者数は年2千万人(うち国内は1千4百万人)、カジノ来訪者が1千6百万人(うち日本人1千67万人)と予想している。カジノの売り上げは4千2百億円、粗利は7%(約6兆円)の賭博になり、中央競馬の売り上げ2兆3千億円と比べても大がかりな賭博場となり、毎日一人当たり60万円を賭続ける計算になる。どうやってこれだけの賭博場を維持するのだろう。

依存症を生むIR

カジノ開業でギャンブル依存症になるのが約2%になると想定されており、日本人の20万人がそうなるといわれている。
私たちは、法律で賭博が禁止されてるのに、これを無視してカジノを推進する大阪維新の会、松井市長・吉村知事に「大阪にカジノはいらない!」の声を突きつけよう。
また『カジノの是非は住民が決める住民投票を求める会』が取り組む、住民投票条例の制定を直接請求する署名活動に積極的に参加しよう。

※住民投票条例請求に必要な署名は獲得しました


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