「5・15平和行進」3年ぶりに開催


「5・15平和行進」3年ぶりに開催

沖縄の日本復帰から50年

5月13日から15日にかけて、沖縄で「5・15平和行進」が実施された。主催は5・15平和行進実行員会および沖縄平和運動センター。本年5月15日は、沖縄の日本復帰から50年の節目にあたる。コロナ感染拡大によって平和行進はこの二年間開催が見合されていたが、重要な節目の年に当たり、感染予防に留意し参加人数と日程を制限する中で実施された。

基地なき沖縄を訴えて平和行進
連帯労組は関東支部と関生支部から派遣団を送り、全港湾・全国一般とともに三単産で構成された部隊で行動した。
今回の平和行進はコロナ感染拡大に配慮し、行進の日程は一日に限られ、代替としてひめゆりの塔や辺野古現地などの視察学習に時間を割いた。
三単産では各地の青年部員が多く参加し、初めて沖縄を訪れる人も多く、有意義な学習となった。三単産懇親会では、ひとりずつマイクを握り、それぞれ地元に持ち帰って闘いを継続する決意を述べた。

沖縄は消耗品
5月13日、那覇市内で行われた「5・15平和行進全国結団式」では沖縄国際大学の前泊博盛教授が「沖縄返還50年~復帰レジームからの脱却」と題する基調講演を行った。 前泊さんは冒頭、終戦から日本復帰、現在に至るまでの歴史を概括した。昭和天皇からGHQへの「天皇メッセージ」、平和憲法のもとへの復帰を求めた沖縄が日米安保と地位協定を押し付けられたこと、佐藤首相による核密約など何度も裏切られてきた沖縄の歴史を振り返った。
前泊さんは、日本にとって沖縄は「Expendable(消耗品、代替品)」な存在として扱われてきたとまとめた。また、基地がいかに沖縄の経済を蝕んでいるかをについて触れ脱基地経済を目指す施策について紹介された。

1000人で平和行進
5月14日朝、約千人の平和行進団は普天間基地の向かいにある宜野湾市民会館に結集。雨模様のなか、キャンプフォスター横を抜け、「コザ暴動」が起こった胡屋十字路から嘉手納基地横の八重島公園に至る約9キロの道のりを踏破した。右翼団体による妨害があり緊迫した場面もあったが、全国から結集した青年労働者が次々とマイクをとり、シュプレヒコールを絶やすことなくデモ行進を貫徹した。

 

基地のない沖縄を実現
5月15日、「5・15平和とくらしを守る県民大会」が那覇市で開催された。平和行進に参加した労働者・市民ら約千人が結集した。
主催の上原邦夫共同代表は、沖縄の経済発展が米軍基地によって阻害されていると述べ、「再び沖縄が戦場にならないようみんなで声をあげ続けましょう」と訴えた。
平和フォーラムの藤本泰成共同代表は連帯挨拶に立ち、翁長前知事の「イデオロギーよりアイデンティティ」の言葉を引き、国土面積の0・6%の沖縄に74%の米軍専用施設が集中する。まさに植民地状態から、沖縄が「沖縄」に復帰し、アイデンティティを取り戻すことができるように連帯を強めていく決意を語った。集会の最後に、「基地の無い沖縄、平和な日本、戦争のない世界をつくるために力を尽くす」とする大会宣言が満場一致で採択された。

 一連の行動を通して参加者一同、団結を深め平和に対する思いを深めることができた。沖縄現地の参加者の話からは、50年という歴史の重さが伝わってきた。また、この節目の年に、ロシアによるウクライナ侵攻が開始され、世界が混とんとしている。 沖縄、南西諸島が再び戦火に見舞われるのではないかという切実な危機感が各所で語られた。歴史に学び労働者は団結して戦争を止めよう。

近畿地本・垣沼陽輔執行委員長

 

1000人で平和行進

  

3年ぶりの平和行進 梅雨空の下、千人が「基地のない沖縄をつくろう」と訴える。
 

連絡先

連帯ユニオン 地図
(全日本建設運輸連帯労働組合 近畿地方本部)
〒550-0021
大阪市西区川口 2-4-28

TEL  06-6583-5549
FAX  06-6583-5534
Email   web@rentai-union.com
 

出版書籍のご案内
ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…)

ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…)

 

国家権力を赤裸々に語る

旬報 社  1200円+税 
ISBN 9784845115617 
■ご注文は、最寄りの書店または、アマゾン
書籍出版物の一覧