全日建近畿地方本部が主催する4支部幹部学校は、毎年恒例で春闘を目前に控えた2月に、春闘情勢とその時々に合わせたテーマについて講師を招き学習します。今年は、春闘情勢と老朽原発が学習会のテーマです。
全国各支部と共に闘いを進めていく
第1部は、2022年春闘情勢について、講師の中央本部・小谷野書記長は、コロナ禍と世界的物価上昇で拡大する貧富の格差、高まる軍事的緊張について「気候変動、脱炭素(カーボンニュートラル)、石炭・LNG買い占め紛争戦、コロナ禍による物流停滞・半導体不足で石油・LNG価格の世界的な暴騰を招き、かつてないインフレ状況に陥っている。また、ワクチン格差や海水面上昇で豪雨災害、生存の危機から強まる自国利益優先主義となり、米中対立やウクライナ危機などの軍事的緊張が高まっている」と分析。セメント・生コン産業については、セメント価格の引き上げ、呼応する生コン価格の値上げ、各地の生コン協同組合は、労働者の賃上げは眼中にない。価格の上昇に伴い労働者の賃金を引き上げる運動が求められる。22春闘の重点課題として、「①ストライキを背景に大幅賃上げ②組織拡大③弾圧に対する取り組み④改憲阻止、参議院選挙で政治を変える」という4項目について全国の各支部と共に闘いを進めていくと方針を述べました。
老朽原発の危険性
第2部は「老朽原発このまま廃炉」をテーマに木原壯林さんに講演していただきました。
講師の木原壯林さんは、「福島原発事故から11年。原発の重大事故での被害は広域かつ長期におよびます。原発は現在の科学技術で制御できる装置でないことは明らか。
原発は老朽化すると重大事故の確率が急増する。原発に使用されている金属は放射線とくに中性子に長年にわたってさらされることで柔軟性がなくなり固くもろくなり急な温度変化(冷却水で急冷)で圧力容器などの金属が割れる現象が発生する。
また、長年にわたって水流にさらされている配管などの金属は内部の水に削られて肉厚が薄くなる。これによって2004年8月に運転開始から28年の美浜原発3号機では配管が突然破裂し、高温高圧の冷却水が蒸気となって漏れ出し5名が死亡する事故が発生した」と映像とともに話されました。
運転開始後40年以上の老朽原発での重大事故のリスクを度外視して利権のために再稼働を推し進める電力会社および国と立地自治体に対して、講演に参加する全員があらためて再稼働反対の意思を共有しました。
美浜原発 Wikipedia
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