KyodoNews  YouTubeより

40年超えの美浜原発3号機の再稼働を強行

危険な老朽原発は今すぐ廃炉に

6月23日午前10時、関西電力は美浜原子力発電所(以下、原発)3号機の再稼働を強行した。この日、老朽原発の再稼働に反対する多くの市民が全国各地から美浜町に結集し、関西電力原子力事業本部や美浜原発ゲート前で怒りの声を上げた。

過去に死亡事故

1973年のオイルショックを契機とし、電力需要を補うとの名目で1970年代後半から1980年代にかけて全国各地で原発の建設が進められた。
美浜3号機は1976年に商業用発電を開始。操業から44年になる。美浜3号機は2004年に2次冷却水配管が破裂し、蒸気が建屋に充満。死者5名・重軽傷者6名の日本初の死亡事故を起こしている。また、新基準で求められている「テロ対策」施設が未完成のため、今年10月25日までには運転が停止されることが決定している。このような原発を再稼働することはとても正常な判断と言えない。

40年ルールに逸脱

2011年に起きた福島原発事故の教訓から「40年ルール」が法制化された。老朽化による事故を防止するためだ。現在、老朽化を原因とするトラブルで原発の運転停止が急増している。配線や配管など取り換えることが可能な部品もあるが、原子炉圧力容器など取り換えることができないばかりか検査すらできないものもある。常に放射線にさらされ、最も脆弱化しやすい圧力容器が破損すれば、重大事故に直結する。

未解決の「核のゴミ」
原発は「トイレなきマンション」に例えられる。
原発を稼働すると使用済み核燃料が生成されるが、関西電力はその処分地を明らかにしていない。美浜原発併設の使用済み核燃料プールは5~6年で満杯になると言われている。福井県との会談で2023年までに決定するとしているが、青森県むつ市の中間貯蔵施設を電力各社で共同利用するという案についても同市長の同意が得られておらず、見通しが立っていない。
また、関西電力の資金還流問題に象徴されているように、電力会社の経営体質には大きな問題がある。電力会社の「コスト感覚」は一般企業とはまるで違う。かかった経費は電気料金に転嫁すればいいと考えているからだ。そのようなシステムが資金還流問題につながっている。
さらに、経産省や電力会社が発信している「核燃料サイクル」はすでに破綻している。増殖炉「もんじゅ」は廃炉が決定し、1993年から建設されている六ヶ所村の核燃料再処理工場は3兆円をも超える費用を費やしてなお未完成のままだ。完成したとしても生成される高濃度のプルトニウムについてどうするのか明らかになっていない。

悪影響は全世界に

このように、原発を稼働させるには莫大なコストがかかる。廃炉にするのには途方もないお金と時間が必要になる。そうしたなかで7月3日には大飯原発の再稼働計画が発表された。
40年超えの老朽原発を稼働させることは日本のみならず、全世界に悪い影響をおよぼす。反対する声を広げ、何としても再稼働を止めなければならない。


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