反五輪デモについて


シリーズ  学習を創造的活動に活かそう

教育部では、学習を通じて執行委員や組合員のレベルアップに力を入れています。今月のテーマは「反五輪デモについて」です。

労働組合や市民運動を抑止する動き

5月9日、五輪中止を訴える反五輪団体が、東京五輪陸上テスト大会開催地である国立競技場周辺に集結。約100人によるデモ行進が行われた。参加者の3倍ほどの警察官が動員されデモ隊を誘導。異常な警備体制のみならず、水面下で公安警察が反五輪運動に対して牽制を入れていたことも明らかになっている。

 

五輪開催が前提

新型コロナ感染症蔓延を受け4月25日から3度目の緊急事態宣言が発令された。政府は、国民に外出自粛、飲食店に対する時短要請、リモートワーク推進など、権利制限を求めている。医療機関が悲鳴を上げている状況下で、500名の医療スタッフをオリンピックのために要請するなど、多くの問題が山積している。、開催についての調査では70%前後が中止や延期を望む調査結果となっている。また宇都宮健児弁護士が立ち上げた署名もわずか一週間で35万筆集まるなど中止を求める声が高まっている。

多くの失策を認めようとしない政府はオリンピック開催を表明。それに呼応するように五輪中止を求める活動に対して公安警察が水面下で暗躍していたと報じている。反五輪活動を行う一人の女性に〝免許等不記述記載〟という名目で昨年2月強制家宅捜査が入り、女性はパソコンやスマホなどを押収された。その後警察から何度も任意捜査を求められたが拒否。4月6日に警察に出頭し「捜査が終わっているのに呼び出すのは問題だ」と抗議したという。女性の弁護士は「デモ抗議に違法性は全くない。反五輪活動の実態解明、また同時に抑止力を働かせたと思われる」と話している。

法律で活動を規制
市民運動抑止の動きが強まってきている。今国会で審議されている重要土地調査規制法案もそのひとつである。この法案は米軍および自衛隊基地、海上保安庁、生活施設を重点施設とし、周囲1キロ以内を注視区域と定め、重要施設の機能を阻害あるいは恐れがある場合、内閣総理大臣は注視地域の土地・建物(所有者・居住者を含む)の調査を行うことができる法律。関係機関は求められれば情報提供に応じなければならない。
また、土地利用者に利用に関する報告を求めることができ、応じなかったり虚偽報告には罰則規定もある。特別指定区域に指定されると利用者のほうから届け出る義務が生じる。調査の結果、利用者に使用禁止の勧告・命令を出すことができ、従わなければ刑事処分を受けることになる。

市民の分断を画策
問題点として、内閣総理大臣の権限が巨大化すること、刑事罰を伴う法律であるにもかかわらず、あいまいな表現にとどまっていること。生活施設は発電、変電、水道・ガス・空港・鉄道・港湾・病院など広範囲におよぶ。海上保安庁も対象になっている以上警察署も含まれると解釈すれば、非常に広い範囲におよぶ危険性がある。
また、報告義務があるため密告という形になり市民間での分断につながる恐れもある。資本主義が終焉を迎えようとしている今、国家は市民を分断統治するシステム構築を進めている。このような動きを察知し反対の声を上げていかなければならない。


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