癒着を断ち切れない官僚


シリーズ  学習を創造的活動に活かそう

教育部では、学習を通じて執行委員や組合員のレベルアップに力を入れています。今月のテーマは「公務員接待問題について」です。

国家公務員が接待を受け問題に!
菅総理大臣の長男が所属する東北新社が総務省幹部に高額な接待を行ったとして、現在国会では集中した答弁が繰り広げられ、その流れはNTT社にもおよぶ。多くの総務省幹部が処分を受け山田内閣広報官も体調不良を理由に辞任し大きな問題となっている。

公務員への接待は公務員倫理法違反

以前から官僚への接待は問題視されており、〝国家公務員倫理法〟は公務員への利害関係が生じる相手からの飲食等の接待は禁止。また〝国家公務員倫理規定〟でも利害関係者とのつきあい方に関して定められている。
利害関係人とは「契約・認可・検査等」に関与する相手とされている。また接待は飲食だけでなく、お歳暮やお中元などを含む贈り物を受け取ること、車での送迎も禁止。さらに利害関係人とのゴルフや旅行の招待を受けることも禁止されている。 東北新社やNTTは利害関係人であり、接待による利益の有無以前に接待自体が問題であるため、国家公務員倫理法に抵触する。

モリカケの再来
〝国家公務員倫理法〟は、大蔵省接待汚職事件(ノーパンしゃぶしゃぶ事件 *)を契機として1999年制定。「国家公務員は国民全体の奉仕者であり、その職務は国民から負託されたものであることから、国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、国民の信頼を確保することを目的」として制定された法律。
人事院は、国家公務員倫理規定事例集などを作成周知しており省庁幹部は接待の危うさを熟知しているはずである。株主の外国人比率が基準を満していなかった東北新社の衛星放送事業を認定した(現在は取り消し)総務省幹部はこのような事態になると考えなかったのだろうか。菅氏の子息であるから、忖度したものではないのか。森友・加計問題と相通ずるものがある。

政府と企業の癒着社会問題に発展

総理大臣や国務大臣、国会議員なども国家公務員特別職として含まれている。当然、〝国家公務員倫理法〟対象者たちである。 また、公務員倫理規定にはあたらないが、政党に献金する業界、企業の優遇政策をとる政府与党。1994年政治改革四法が施行され、政党交付金が支給されるようになった。
これは、当時リクルート事件など政府と企業との癒着が大きな社会問題となり、企業や労働組合などの団体からの献金禁止を目的に創設したものである。
しかし、労働組合などの団体の献金は禁止する一方で企業献金は現在も行われている。政党交付金は、資金を分配する立場にある党中枢の権力を強化。権力の集中が進んでいる。
本来国民の奉仕者であるべき権力者の行動を主権者である国民が過ちを改めるよう大きな声を上げていかねばならない。


* ノーパンしゃぶしゃぶ事件 wikipedia 逮捕者や自殺者が出て、大騒ぎになった事件

  


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