森喜朗会長 会見

FNNプライムオンライン YouTubeより

教育部では、学習を通じて執行委員や組合員のレベルアップに力を入れています。今月のテーマは「女性差別発言について」です。

2月3日に開かれた日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議会で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性差別発言をして辞任した。本件は二重にも三重にもわたって下劣で、日本社会の中枢がいかに腐りきっているかを世界に露呈した。

もううんざりだ。私たちは本件を反面教師として、女性が活き活きと活躍できる職場や労働組合をつくることに取り組んでいきたい。

森元会長の発言は女性に対する差別

森氏の発言は「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」という部分だけ取り上げられることが多いが、一度全文を参照してほしい。「女性は競争意識が強く、一人が発言するとみんな発言する。女性を増やしていく場合は発言の時間を規制しておかないと会議が終わらない」「組織委員会の女性はみんなわきまえている」という内容で発言しているのだ。差別とミソジニーに満ちた最低の発言である。女性は〇〇であるという決めつけは、差別である。性別にかかわらず人それぞれ、いろんな考えの人がいる。
また、会議で誰もが忌憚(きたん)なく意見を述べられることは、望ましいことではないか。それを会議が終わらないと言ってのける。そして、黙っている女性たちを「わきまえている」と評価するのだ。
JOCをはじめとするスポーツ団体は、男女平等のために20年代のできるだけ早い時期に女性理事を40%とする目標を立てている。そのようななかで、「わきまえろ」と結局女性をお飾りとして扱うのだ。さらに、本件発言で会場の笑いを取ったというのだから聞いてあきれる。どれだけ腐っているのか。

男女平等指数下位
森氏の後継として、橋本聖子元五輪相が組織委員会の会長に就任した。女性が会長になったことは良いことだと思うが、手放しでは喜べない。多くの問題がある。そもそも、東京五輪をまだやる気でいるのだろうか。もはや衆院選のための政権浮揚策でしかない。
そして、女性を会長に就ければそれでいいという問題ではない。本件は、日本社会がいかに女性差別的かを物語っている。森氏は、03年にも「子どもを一人もつくらない女性が、自由を謳歌し楽しんで年取って、税金で面倒見なさいっていうのはおかしいんですよ」という差別発言を行った。森差別発言は失言ではない。本音である。こんな人物を、日本社会は要職につけ続けてきた。海外メディアは、本件を厳しく批判的に報じ、世界経済フォーラム(WEF)の2020年の男女平等指数で、日本が153ヵ国中121位であることを紹介した。
本件について、ツイッターで「#わきまえない女」がトレンド1位を獲得。各国の大使館が(黙ってないで)」とつぶやくなど、森発言に対する抗議の声が巻き起こった。このことが森氏の続投を許さなかったことは希望だ。

女性が活躍できる社会をめざそう!
関生支部は、職場における女性の地位向上に取り組み、女性専用トイレの設置に始まり生理休暇の取得などを勝ち取ってきた。今後も取り組みを継続するとともに、依然として役員の大半が男性であるという事実を受け止め、女性が活躍できる組合を創っていかなければならない。


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