コロナ禍だからこそ大幅引上げを


コロナ禍だからこそ大幅引上げを

最低賃金全国一律1500円へ

10月1日、最低賃金(以下、最賃)が全国平均で28円引き上げられた。大阪市の最賃は992円になる。21年度の引き上げ額は02年度に時給で示す現在の方式となってから過去最大の3・1%となった。しかし、依然として日本の最賃は先進国の中でも低い水準にある。格差を是正し人々の生活を底上げするため、大幅な最賃の引き上げが求められる。

最賃では生活できない
主婦やパートや学生アルバイトなど補助的な労働に当たる労働者は非正規労働者とみなされ、低賃金で雇用され、最賃を抑制する理由とされてきた。しかし、現在では非正規労働者が全労働者のうちの4割を超え、最賃全国平均の1・3倍以下で働く労働者は31・6%にのぼる。
大阪府の最賃は992円で、フルタイムで働く労働者の月給は額面で15万8720円。これでは家族を養っていくことなど到底できない。
低水準の最賃が格差や少子化など様々な社会問題の温床になっている。 最賃をあげることは労働者全体の賃金水準の底上げになり、様々な社会問題の解決につながるのだ。

全国一律の最低賃金を
また、都道府県ごとの最賃の格差が問題だ。一日8時間働いた場合の日給は、全国最低となった沖縄・秋田では6560円(820円×8時間)に対し、全国最高の東京では8328円(1041円×8時間)である。
最近では、都市部でも地方でも生活費に大差はないとの調査もあり、最賃の地域間格差が都市部一極集中に拍車をかける要因となっていることがわかる。都道府県ごとの最賃をやめ全国一律にすることが求められている。

全国一律1500円へ
世界ではコロナ禍を機として最低賃金大幅アップの流れができている。 英国ではコロナ前に8・21ポンド(約1250円)だった最賃が21年4月には8・91ポンド(約1360円)に。 ドイツでも9・35ユーロ(約1210円)から22年7月には10・45ユーロ(約1355円)に上がる。
米国では今年4月バイデン大統領が連邦政府機関と契約する業者を対象に、最賃を10・95ドル(約1200円)から15ドル(約1600円)にする大統領令に署名した。
このように世界ではコロナ禍だからこそ、最賃を上げて労働者の暮らしを底上げする政策がとられている。日本でも最賃1500円を目指す運動が展開されている。運動を強め、最賃1500円を勝ち取ろう。

中小企業淘汰許さない
全国平均28円の最賃アップに対して日本商工会議所など中小企業3団体は「大幅な引き上げは極めて残念で到底納得できない」とするコメントを発表した。
コロナ禍で経済活動が制限されるなか、国から十分な救済策を受けることもなく厳しい状況を強いられている中小企業からみれば当然のことである。
最賃アップと中小企業淘汰は、菅が重用したアトキンソン氏の持論だ。「生産性の上がらない中小企業に救済はおこなわない。」「ゾンビ企業は淘汰を」である。
私たち労働組合は貧困にあえぐ労働者と共に最賃アップを求めるとともに、中小企業への支援策も同時に求めていかなければならない。


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