11月28日、岩国・労働者反戦交流集会２０２０が開催された。全国各地から労働組合が結集し、各地の闘いを共有し連帯して闘うための意見交換が行われた。

日本を先制攻撃できる国にするな！

冒頭、主催者代表の垣沼実行委員会代表は、「反戦は労働者・労働組合の役割であり、コロナ禍のなかでも米軍基地のある岩国で全国の労働者が結集して開催されるこの集会の意義は重要である。そして、現政治は国民のために動いていない。アメリカのために全国各地で米軍基地が強化されこの実態を労働者が反対の声をあげ、伝えていかなくてはならない」と力強く挨拶された。
基調報告では、２０２０年はコロナで始まり、今春闘も行動や交渉が制限されてきた。コロナ禍での労働相談も急増している。大資本への奉仕と軍事強化。弾圧体制の強化。さらに、監視管理の強化で息苦しい日本社会を作られている。大阪維新の大阪解体攻撃は阻止したが、安倍から菅に変わった自公政権は国民無視の無責任政治を続けている。私たちはこれらの状況を変えるため、〝労働運動なくして平和なしの〟スローガンで歴史に恥じぬ闘いをおこなおうと提起された。

米軍関係者の感染　―　トバッチリを受ける子どもたち

次の日は、岩国国際連帯集会が開催。長年、岩国市議を務めてこられた「リムピース」共同代表の田村順玄さんから、岩国現地の動きについて報告があった。
米軍関係者のコロナ感染が各地で話題になっているが、岩国でも感染者が出ている。アメリカから岩国基地に飛来する基地関係者から感染が確認される事態が相次いだ。
その一方で、岩国基地は「われわれは日米同盟のもと、定められた責務を果たすため、新型コロナウイルスのリスクを最小限にとどめる対策を講じなければいけない」として、11月20日からの10日間を目処に、基地に出入りする従業員・出入り業者らに対して、子どもたちの登校を自粛する要請を出した。米軍の都合のために、子どもたちの就学する権利が侵害されているのだ。
また、日々岩国基地の監視活動を行う戸村良人さんが、撮影した米軍機の写真を見せながら岩国基地の現状について解説した。戸村さんの写真は「行動の写真集」というＨＰで閲覧可能で、反基地の闘いを進めるうえで重要な資料となっている。

無謀な配備が中止そして洋上へ

続いて、「戦争させない・９条壊すな！総がかり行動阿武・萩実行委員会」共同代表の藤井郁子さんからイージス・アショア配備撤回とその後について報告された。イージス・アショアは萩市むつみに配備が目論まれていた。隣町の阿武町長・町議は反対の立場を取ってきた。６月15日河野防衛省が突然、配備計画の停止を表明。配備停止の理由は、ブースターが落下する際の安全性確保のために、12年の歳月、１２００億円が必要であり「配備は合理的ではない」として破綻ぶりをあらわにした。一方で安倍首相（当時）は９月、敵基地攻撃能力の保有を念頭に、抑止力の向上を強調、防衛省はイージス・アショアの代替策として、レーダーやシステムを洋上に置く「移動式の洋上プラットフォーム」案を示した。藤井さんは、「洋上のものを陸上に上げると言い、また洋上に戻すと言っている。一体何だったのか」と述べ、阿武・萩総がかり行動は今後も、改憲を許さない、先制攻撃できる国にさせない活動を続けていくと決意を述べた。

国際連帯集会の名のとおり、韓国や対日フィリピン人団体からのメッセージも披露された。また、現地の在日朝鮮人組織の方からも発言があり、加害の問題にもスポットを当てた集会となった。
終了後、集会参加者はデモに出発。岩国の町を「基地いらない！」の声をあげながら練り歩いた。
岩国基地の前では、No base for peace!（平和のために基地はいらない！）と英語でアピール。基地周辺に住む米軍軍属から、圧倒的に注目された。