日本郵便 非正規社員 格差是正を求め立ち上がる

非正規労働者の生活を安定させる闘い

日本郵便で働く非正社員約150人が2月14日、札幌・東京・大阪・広島・高知・福岡の各地裁で正社員との格差是正を求める訴訟を起こしました。長崎でも18日に提訴する予定で原告は全員で154人になります。

「同一労働同一賃金」 (*)に関する法律が、今年4月から順次施行されますが、曖昧なままの部分が多いのが問題となっています。今回の訴訟は、労働裁判としては異例の規模で、日本の働き手の40%を占める非正社員の処遇に大きく影響を与えることになるでしょう。
提訴したのは、日本郵便の有期契約社員・有期契約から無期契約に転換した社員の方たちです。
原告側は、「正社員と非正社員の間で賞与や祝日手当の支給額に格差があるほか、住居手当、年末年始勤務手当、扶養手当などは正社員にだけ支給されている」ことが、「労働契約が無期か有期かで不合理な格差をもうけてはいけないとする労働契約法20条に違反する」として、約2億5千万円の損害賠償を請求しています。

日本郵便の正社員は、約19万3千人。非正社員は、無期契約に転換した社員も含めて約19万2千人で国内有数の規模です。
原告が加入する郵政産業労働者ユニオンの中央執行委員長は14日の記者会見で「地裁、高裁の成果を広げる闘いだ」と集団訴訟の意義を強調しました。
地裁や高裁では賞与の差を不合理だとした判決はないのですが、代理人の棗一郎弁護士は「賞与は10倍から20倍の差がある。賞与の格差が縮まるような判決が出てくれば、非正規労働者の生活はかなり楽になる」と話し、「今回の訴訟中に最高裁判決が出れば、その内容に沿った解決を求めていく」との方針を示しました。

労働契約法20条が禁じる正社員と非正社員の不合理な待遇差は、裁判例が少なく明確でないことから、政府は「同一労働同一賃金」の関連法を整備。今年4月から大企業に、来年4月から中小企業にそれぞれ適用することと、何が不合理かを具体的にまとめたガイドラインを示しました。
関連法では手当の目的に応じて不合理かどうかを判断することを明確にし、通勤手当や食堂利用など非正規社員に必要なものは、待遇差を認めないとしています。

最高裁出した判決

2018年6月の最高裁判決(ハマキョウレックス事件)は、非正規のトラック運転手に対し、無事故手当・作業手当・給食手当などを支給しないことが不合理だとしており、指針の内容を先取りした内容となっており、この判決を受けて、手当については是正する動きが出ています。
一方で指針は、基本給や賞与については、職業経験や能力などに基づく違いを認めるとしながらも、「業績への貢献に応じて支給する場合、貢献に応じた部分について正社員と同じように支給しなければならない」などと、どこまでの待遇差なら許容されるのかが依然として曖昧になっています。

団結して闘おう!

日本郵便を被告とする訴訟は、東京・大阪・福岡の各高裁で判決が出ており、一部で原告の請求が認められましたが、現在は最高裁に移っています。日本郵便をめぐる一連の訴訟が各企業の職場に与える影響は大きいことから、私たちは注視して、共に闘うことが求められています。裁判傍聴や街頭での広報宣伝活動など勝利に向けた行動を展開しましょう。


(*) 「同一労働同一賃金」 のガイドライン 厚生労働省

 

 

非正規格差是正「ハマキョウレックス」最高裁判決

  

正社員と有期雇用との間で、作業に差はなく
無事故手当・作業手当・給食手当・通勤手当・皆勤手当の差は、労働契約法20条に違反するというもの

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