武委員長の反骨のルーツをたどる
2月18日、ハートピア京都で「憲法28条破壊を許さない! 映画と講演の夕べ」と題し、武委員長を描いたドキュメンタリー映画『棘』の上映と、労働法学者の吉田美喜夫さん(立命館大学名誉教授・元立命館大学総長)の講演が行われ、107名の労働者・市民が集った。
主催の「労働組合つぶしの大弾圧を許さない!京滋実行委員会」からの挨拶に続き、映画『棘』の上映が行われた。映画は、武委員長の反骨のルーツをたどり、今般の弾圧の卑劣さを描き出す。
法学者からの警笛
続いて、吉田美喜夫さんの講演が行われた。講師は、昨年12月9日に出され話題となった労働法学会の有志78名による声明「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」の呼びかけ人だ。例え話を交えながら、分かりやすく弾圧の不当性を暴き出していく。
印象に残った部分を要約すると次のようになる。「これまでは、国家権力はできるだけ労使関係に介入せず、労使自治を尊重することが基本だった。しかし、関生弾圧は違う。労働運動で刑事罰が問われるとは、まるで先祖返りだ。そこに労働法学者としての危機感がある。労使交渉は外形的には激しく行われる。時には交渉の場で机をたたき怒鳴り合うこともある。利害が対立しているのだから当然のことだ。権力が、刑事事件に仕立て上げるのはまったくおかしい。
例えば、ボクシングは殴り合いだ。言わば暴行と傷害のオンパレードだ。しかし、ボクシングで罰を問われることはない。殴り合いという部分だけでなく、スポーツとしての全体を見て判断する。
関生支部についても組合活動の全体をとらえて、労働基本権の行使かどうかを見ないといけない。とりわけ日本の一般的労組と異なる、産業別労働組合としての特徴をとらえて判断しなければならない」
闘い抜く決意表明
その後、関生支部組合員が登壇。弾圧被害者が、警察権力から脱退強要を受けたことなど自らの体験を報告。七牟禮副委員長が、今後も闘いぬく決意を表明し集会を締めくくった。
集会を通して、今後の反弾圧闘争をいかに進めていくか、会場から積極的な議論が提起された。『棘』の上映が起点となり、様々な動きを巻き起こしている。全国での上映を通しての運動の発展に期待したい。
ドキュメンタリー映画『棘』の上映会予定一覧は、こちら
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