政府予算案


シリーズ  学習を創造的活動に活かそう

教育部では、学習を通じて執行委員や組合員のレベルアップに力を入れています。今月のテーマは「消費増税その後、政府予算案について」です。

政府の言う財政健全化とは一体を意味するのか?
米中経済戦争など世界経済が停滞する状況下、昨年10月に8%から10%に引き上げられた消費税。政府は財政健全化を唱える一方で、過去最高である102兆6580億円の2020年度予算案を閣議決定した。当初予算の歳出総額は8年連続で増加しています。

政府が見込む歳入、32兆が借金(国債発行)
政府予算案では、過去最高額の予算であるにもかかわらず、公債金は1043億円減の32兆5562億円としています。
政府税収見込みは税収決算ベース過去最高であった2018年の60兆3564億円を超える63兆5130億円。内訳は消費税が21兆7190億円、所得税19兆5290億円(2%減)、法人税12兆650億円(6・2%減)となっており、消費税2%分2兆7000億円の増収となる一方で、景気の減退の予測から所得税、法人税の減収を見込んだ予算となっています。

13兆円の経済対策 形だけの消費税率引き上げの目的

消費増税時の目玉とされていた幼児教育無償化に3410億円、高等教育支援に4882億円を予算化は少子化対策として有効ですが、消費増税後の消費の落ち込みに対応するためにキャッシュレス事業に2703億円、9月より6ヵ月限定のマイナンバーポイント付与に充てられる2478億円、2019年度補正予算と合わせて13・2兆円の経済対策も盛り込まれています。これほどの経済対策を必要としてまで消費税をあげる必要があったのでしょうか?

◆ 景気の高揚を予測していますが、実際は ◆
この政府予算案はGDP1・4%の経済成長を前提条件として作成されています。政府は様々な対策によって景気が高揚すると考えているようですが、民間シンクタンクの予想ではわずか0.5%しかありません。民間消費も政府試算では1%を見込んでいますが0.2%にとどまると予想されています。
政府の目論みがうまくいかなかった場合補正予算をさらに計上することになります。

税収を増やすには景気を回復させる
今回の増税は、軽減税率やキャッシュレス事業などを行ったため駆け込み需要が大きくなかった分、前回の消費税引き上げの時ほど急激に落ち込んではいませんが、消費水準は前回消費税引き上げ直後にまで落ちています。そもそも消費税は消費に対する税であるため、「ものが売れない」デフレ状況下で行う施策ではありません。
むしろデフレを脱却するためには赤字国債を発行してでも「消費税の引き下げ(MMT理論)」をするべきであると提唱している学者もいます。消費税を上げることで税収を増やそうと思っても消費が落ち込むので税収は増えない。むしろ下げることで消費を喚起し景気を回復させる。結果として税収を増やすべきだと訴えているのです。
私たちの生活に密接している税金。どのように使われているのかもっと関心を持たなければなりません。


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