悪法を阻止しよう!

共謀罪

共謀罪の狙いは、治安維持法と同じ

生活図画事件のふたりを取材
北海道に暮らす老人2人の日常を撮った写真展「A RED HAT赤い帽子」が大阪市で10月、開催されました。  
写真家の高橋健太郎(フリーランス、ニューヨークタイムスなどに作品を発表)さんが、「普通の日常」を撮ったのは、「彼らがふつうの生活を送る人間だから」と。  高橋さんは2017年5月、「共謀罪」法案をめぐる国会のやりとりで、捜査の対象について「写真を撮ったりしながら歩くなどの外形的な事情が認められる」などと金田勝年法相(当時)の答弁に驚き、「僕もカメラを持ってうろうろ動き、怪しいと見られることもある」と危機感を持ったそうです。

治安維持法の再来とされる「共謀罪」は6月15日に成立。その直後から高橋さんは、北海道の2人(松本五郎さん・菱谷良一さん)の取材を始めました。写真展の2人のおだやかな表情からは78年前の事件を読み取ることはできません。  2人は旭川師範学校生だった1941年9月に治安維持法違反に問われ検挙されました。1925年に成立した「治安維持法(国体(皇室)や私有財産制を否定する運動を取り締まること)」は、28年に「目的遂行罪(結社の目的遂行のためにする行為一切を禁止する)」を追加、41年の「予防拘禁(対象となる者による犯罪その他の触法行為の予防のためにこれを拘禁する)」の導入と膨らみつづけ、共産党を壊滅させるという目的を果たした後も拡大解釈と乱用を重ねていったのです。そして、社会を見つめる作文や描画さえも「左翼思想」や「共産主義」とされて処罰の対象となり、2人が罪に問われた「生活図画事件※」も起きたのです。  

2人とも検挙される前は「治安維持法は国家に背いた人だけを捕まえる」と思っており、2人のうちの1人は出所後の43年、〝アカ〟と呼ばれることに反発し、妹の赤い帽子をかぶる自画像を描いています。ここから「当たり前の日常を過ごしていて逮捕された歴史を見ると、いまの僕らも日常生活を送っていて逮捕されることがあり得る」と題名が生まれました。高橋さんは、そういった恐れを展示作品に込めているのです。  私たちは、このような取り組みに連携して、「共謀罪法」の権力の狙いを暴露するために広く発信することが求められています。「共謀罪法」の反対運動を粘り強く継続して廃止に追い込みましょう。      

「生活図画事件」-生活図画教育(美術教育)、教え子たちに身の回りの生活を見つめさせ、題材を選び、自らと現実の生活をより良く変革することをめざす絵の教育。戦争を推進する国家権力はこうした教育さえ許さず、教師たちを弾圧した。教師53人、教え子24人が検挙され、憲兵の取り調べでひとりが虐待で亡くなっている。



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ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…)

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