言論の自由について


シリーズ 学習を創造的活動に生かそう


教育部では、学習を通じて執行委員や組合員のレベルアップに力を入れています。今月のテーマは「言論の自由について」です。

正義の声が攻撃対象になる歪んだ社会

「自由に考えて、自由にものを言うことが、不当に制限されるということがあってはならない」(*)と良識のある新聞記者は主張しています。まだまだ少数ですが、この記者の記事に学んで、自由な言論を守る闘いに役立てましょう。

行政は安全確保を隠れ蓑にして、責任のがれ
民主主義の基盤を傷つける出来事が起きています。京都府南丹市は昨年11月、精神科医・香山リカさんの講演会を中止しました。講演を妨害するような電話や、政治団体による街頭宣伝の予告が届いたためだそうです。予定されていた演題は『子どもの心を豊かにはぐぐむために』がテーマ。市は、母親や子の安全確保を理由に講師を変更したのです。
記者は「露骨な嫌がらせに市は毅然とした態度で臨んで欲しかった。警察に警備を依頼するなど対策は十分にとり得ただろうし、似たようなケースで行政側の対応を違法とした最高裁判例もある。結果として圧力に屈した形になったのは残念でならない」と嘆き、「一昨年も同様の経緯を経て、香山さんの東京都内での講演会が中止に追い込まれた。当時、差別的な発言に反対するなど活発に発言していた香山さんは、ネット上で激しく攻撃されていた。今回の妨害行為の背景にも、香山さんの活動に対する敵意がうかがえる」と分析して本質を明らかにしています。
また「この例に限らない。憲法や基地問題などを取り上げた集会で、自治体が後援や共催を取り消す事例が絶えない。多様な言論を保障する責務の重さを、行政は認識して欲しい。もちろん、憎悪むき出しのヘイト行為などは正当な言論活動とは言えない。憲法が保障する表現の自由は、個人の尊厳を傷つけないことが前提であることを、確認しておきたい」と訴えています。

さらに記者は「許しがたい別の嫌がらせ行為もある。女性差別などについて積極的に発言する議員や弁護士に、頼んだ覚えのない商品が送りつけられてきた事件だ。北九州市の村上聡子市議には昨年夏以降、下着などが代金引換で配達された。加計問題で政権を批判した前川喜平元文部科学事務次官を招いて、講演会の司会をした後から始まった。『言論封殺の意図を感じる。こんなことをしても発言をやめはしない』と市議は話す。残念なのは、こうした訴えを冷笑するような反応が一部にあることだ。ネットには『被害者アピールして何の意味がある』といった言葉が飛び交った」と非難し、「差別に反対する。政権に厳しいことを言う。憲法の大切さを論じる。これらの行為が攻撃対象にされるとは恐ろしい話だ。恐怖が萎縮を生む悪い連鎖のなかで、言論の場が狭まることを危惧する。おかしな風潮を広げないためには、いつ自分も標的になるかも知れないと想像力を働かせ、批判の声を静かに、しかし確実に上げ続けることだ」と問題提起しています。

記者や市民と連帯して言論の自由を守る

私たちには、このような良識ある記者や市民と連帯して、言論の自由を守る闘いに臨むことが求められています。



(*) 自由権 Wikipedia

 


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