今回の日朝友好なにわの翼・大阪での訪朝は4年連続で4回目の訪朝となりました。
2016年の初訪朝は朝鮮人民民主主義共和国（以下、共和国）のミサイル発射実験に対して日本政府の過剰な反応で緊張した国際情勢の中、翌2017年は、あたかも日本上空を飛行物が通過しているとJアラートで新幹線を止め国民に危険を煽り、政府が共和国敵視政策を強めていた中での訪朝でした。しかし、昨年の訪朝は板門店での歴史的な南北首脳会談の直後の訪朝となり、多くの平壌市民の平和と統一を喜ぶ声を伺いうことが出来ました。
　
米・韓と距離、露と協力関係
４回目となる今年の訪朝は、アメリカや韓国との2ヶ国間交渉が停滞している中、ロシアのプーチン大統領と金正恩委員長との首脳会談の直後の訪朝となり、きびしい国際情勢の中でも歴史的に古くからの協力関係にある2カ国の会談を歓迎する平壌市民の声を伺いました。少しずつですが確実に平和と統一、国際社会との協力と繁栄へ歩みを進める共和国の現状を実感しました。

年々近代化が進む平壌、スマホも普及
さて、共和国の平壌市内の街並みですが、毎回訪朝するたびに前回には無かった新しい建物を発見します。古いアパートなどを解体して新しく高層マンションに建て替える都市計画により、平壌市内のいたる所で建築中のマンションを目にします。区画整理されて新しい未来科学者通りや黎明（れいめい）通りの高層マンション群は夜になるとライトアップされて平壌市内のきらびやかな夜景を演出しています。（一戸あたり約200平方メートルの豪華マンション）また、年々増加する平壌市内を走る車や電動自転車の台数。平壌市内を疾走する中国製の電動自転車、中国との合弁会社のタクシーを利用する平壌市民の姿を今年は昨年よりも多く見かけました。バス、トロリーバス、路面電車、地下鉄の公共移動車両はどこまで乗車しても一回5ウォン（約5円）。2階建てバスや観光客を載せている大型の観光バスが走行する姿を日常的に目撃します。（メーデーの日は牡丹峰の丘の近くで渋滞が発生していました）
そして、平壌市民の必需アイテムになったスマホ。年々、右肩上がりのスマホの普及率と所有する人が増え始めたブルートゥース。ブルートゥースは流行の先端を行く人気アイテムという感じでしょう。歩きながらの通話やバス待ちの列などでスマホを触る平壌市民を目撃するのはよくある光景です。日本と変わりの無い光景です。（最新機種のスマホは2-3万円ぐらいの販売価格だそうです）平壌シリーズのスマホに搭載されている朝鮮オリジナルのOS『赤星』は技術力の高さを証明しています。
急速な近代化とそれを支える技術力が平壌市民の生活水準の向上に繋がっていることは間違いありません。

南北統一と東アジアの平和
今回の訪朝で各地・各施設を訪問して特に印象に残ったのは板門店です。
板門店を案内して頂いた軍の中佐は次のように述べられました。
「これまでは板門店は分断の象徴と言われていましたが、昨年の北南会談以降は平和の象徴として、そして統一の象徴として変わって行く事を歓迎しています」
軍事境界線という最前線にて任務につく中佐の言葉の重み、現在の朝鮮半島とこれから進んで行く未来が込められたこの言葉に感銘を受けました。この中佐の言葉にはアメリカの策動により分断された祖国の統一を願う人民の思いが込められていて、平和な朝鮮半島とその先にある繁栄を望む人民の未来への希望が込められていると思いました。
祖国の統一を願い、平和と繁栄の未来を歩んでいく人民の思いに寄り添いながら東アジアの平和と繁栄に向けて、日本で出来る事を少しずつ行なっていきたいと思います。