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連帯ユニオン

他人の痛みは我が痛みの精神で、労働運動に取り組んでいます。 働く人々の労働条件の向上を目指して、日々活動しています。

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21期5月 日韓労働者連帯訪韓団

JUN 1th, 2017

今回の訪韓を振り返ると歴史を振り返る旅だったと思う。日韓労働者交流がはじまって21年。ちょうど私が連帯労組に加盟した年です。歴史の深さを感じます。
日韓労働者交流のきっかけとなったアジアスワニー闘争。もともと全北地域は、日帝時代、日本に食料を運ぶ穀倉地域で、過酷な労働を強いられ搾取されるという大きな被害を受けていて反日色が強い地域。交流してもらえるような地域ではなかったと聞きます。日帝時代にいじめられ、日本企業にも不当な扱いを受ける。この闘争がなかったら、今日のような交流はなかったとしみじみ思います。

アジアスワニー探訪
全北での日韓労働者が交流をするきっかけとなった闘争。外国からの企業誘致をするため労働組合排除、低賃金、重労働を強いられた。労働組合が出来たことから会社閉鎖。本社が日本、香川県にあったことから、女性労働者5名が日本遠征闘争を決行した。
当時の分会長を含む2名で当時の工場跡地、労働省跡、警察署跡、協会に作られた労働者の家など、当時の状況説明を受けながら見学した。

 

サムソン電子社屋前
サムソン電子社屋前

パノルリム(半導体労働者の健康と人権守備隊)
サムソン半導体LCD工場で、不十分な安全対策や安全教育により多くの労働者が白血病などを患い尊い命を失っている。

2007年命を失ったファン・ユミさんも犠牲者の1人。サムソン電子の不誠実な対応に怒りを覚えた父ファン・サンギさんはサムソンを相手に闘うことを決意。サムソン電子社屋前でテント籠城を続けている。

サムソン電子
当時の写真

この問題の協力者である社労士イ・ジョンランさんと今回対談することが出来た。パククネ大統領の友人であるチェスンシルはこのような労働問題の解決の見返りに多額の献金を受けておりパククネ退陣運動の一因ともなっている。

パノルリムはサムソンに対し
①職業病被害者への公開謝罪、
②被害者の排除がない透明な補償
③再発防止対策の履行
④パノルリムとの即時対話を求めている。
パノルリムはこの間の運動の中でムンジェイン大統領からこの問題が解決するよう最大限努力するという協定書を獲得している。

このサムソンとの闘いを映画化した「もう一つの約束」の上映会を日本で企画、ファン・サンギさん、イ・ジョンランさんを招き集会をおこなっていくことを約束した。


5.18民主抗戦追慕塔
参拝広場 40mある「5.18民主抗戦追慕塔」

光州マンウォール洞巡礼墓地

光州事件で亡くなった人、また労働運動でなくなった烈士を祀っている墓地。
光州事件は、韓国民主化抗争と呼ばれ、今の韓国労働運動の起訴となった事件である。

1979年10月26日、軍事政権である朴正煕大統領が暗殺され、軍事国家からの脱却に韓国は「ソウルの春」という民主化気運が訪れる。1980年5月17日クーデターにより政権を奪取した全斗煥は非常戒厳令拡大措置を発表。
5月18日、クーデターに抗議する学生デモが発生したが開眼群の暴行が激しかったことから、市民も参加。デモ参加者は20万人を超えた。このデモを収めるため戒厳軍が市民に対して発砲。多大な被害者が出た事件。5月18日は民主化闘争の日として多くの参拝者が訪れている。

前年まではこの事件のために作られた歌「あなたのための行進曲」の斉唱が禁じられていたが、政権が変わり斉唱が解禁された。

1283回水曜集会
1992年1月より始まった日本軍慰安婦問題解決全国行動(水曜集会)参加。平日であるにも関わらず在韓日本大使館前(現在立替中)でおこなわれた集会に3~400名の市民が参加。小・中・高学生の参加者が多かった。
日韓で合意した補償金10億円では1人当たり50万円ぐらいにしかならないという金額があまりにも少ないという問題と、歴史の象徴である慰安婦像の撤去、この合意以降、この問題について一切口に出すなという日本政府の傲慢な態度に参加者の怒りがある。

主催者は、日本からの補償金を基金にして性犯罪被害者支援のための財団を作ったと話していた。継続した運動を継続している以上大統領も日韓合意をこのまま受け入れることはないだろう。


日韓労働者宣言文
記者を呼び、共同宣言をおこなった。内容は以下の通り。
1.世界の全ての労働者・民衆は誰もが普遍的な人権を享受し平和に暮らす権利がある。
2.各種の労働改悪と労働人権侵害に抗し、最低賃金引き上げ、非正規食撤廃、労働者 の権利強化のために努力する。
3.労働者・民衆の普遍的人権強化のための社会公共制及び社会安全網強化のために努 力する。
4.「全ての労働者は一つだ」という社会的意識を強化し、移住労働者と在日韓国人の 差別撤廃のために努力する。
5.日韓の日本軍「慰安婦」合意など、両国間の望ましい過去史精算解決と歴史歪曲等 に対して協同対応する。

日韓労働者交流21周年討論会
日韓労働者でそれぞれの課題を持ち寄り討論会をおこなった。日本側から韓国への質問はどのようにしてこの様に大きな民衆闘争を組織できたのかという質問である。民主労総では地域で起こった社会問題を取り上げ共に闘うスタイルで運動をおこなっている。また記者会見などをおこない組合としての見解を声明を出し運動する。声明文は年間160件。大きな転機となったのがセウォール号沈没事故。小さな問題からパク政権に届く運動に幅が拡がった。
当初の目的であるパククネ政権打倒出来たが、まだ道半ば。6月末までに最大の目標である最低賃金の引き上げ、労働法全面改正、社会公共制強化、そういった課題が前進しなければ大衆闘争を再開するとムンジェイン政権に通告している。


韓国労働運動の強さの原点は民主主義を勝ち取るために、多くの人達が犠牲になったという事実。また、その歴史の継承がしっかりとなされていること。今の権利は先人達の犠牲の上で成り立っているのだから、どんなことをしても守らなければいけないという強い意志が浸透しているのではないかなと思います。
日本の労働組合はそう言った意味では全く出来ていないのが現状です。企業の利益追求の手助けをし、海外の労働者を泣かせても何とも思わない.利益が上がらなくたら撤退する。メーデーも5月1日ではなく前後の休日に変える。そのような労働組合が日本のナショナルセンターになっているのです。
彼らの意識をどうやって変えていくのか。または取って代わるのか。今の現状を変えるていくため最大限努力をしていくことが必要だと感じました。
最後に、訪問する度に、心に響くプレゼント、また心を込めた接待をして頂きまして本当にありがとうございました。

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連帯ユニオンは、「他人の痛みは我が痛み」の精神で労働運動をしています

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