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10月5日、大阪のシルク印刷等を業務とする会社で労災手続きの問題から外国出身の女性が公然化した。

会社は労災保険に加入しておらず、従業員から月々530円を「怪我や病気の時の為に」と天引きしていたが、今回の問題ではそれを充てた形跡はない。また、「会社の経営状態が悪い」との理由から賃金から勝手に100円を天引きしていた。

労働条件も時給800円で深夜手当も残業手当も支給しておらず、雇用保険すらなく、昼食も非常に小さなスペースで持ってきた弁当を15分で済ますという状態。
更に社長の気分でシフトや残業の有無が勝手に決められ、従業員たちは将来の雇用について大きな不安を抱えているという。
そのような過酷な状態であるにもかかわらず、11日行われたミーティングではオルグのSさんと執行委員が英語を交えた軽快なトークでぐいぐいと引っ張って行く非常に明るい雰囲気で行われた。

公然化後、社長は「労働組合は会社を破壊する」と従業員の分断に躍起になっているが、日本の労働基準法等が周知されていない外国人労働者であっても日本に在留資格を持ち、就労するからには、日本人と同じ労働条件で働く権利を持っている。会社は本来、日本の労働諸法律を遵守して働かせないといけないが、残念ながら経営者の「言葉の壁があり、難しい法律用語が並ぶ日本の法律を外国人が知っているわけがない」というモラルの低さと外国人労働者への差別意識がこの様な劣悪な労働環境を生んでいるのである。
彼女が「私は日本人ではなく外国人女性だがロボットじゃない。プライドを持つ、れっきとした人間だ」と訴える姿が非常に印象的だった。
そして公然化に伴う団体交渉で、会社は従業員に対して労働諸法律が守られていない事を認めた。更に彼女が労災問題を発端として社長から誹謗中傷された事に対しては社長が組合に手をついて謝罪、早急に侵害された権利の回復と今回の事をミーティングで従業員に周知させ、「法にのっとった働きやすい職場にする為に最大限の努力をする」と約束した。 また、「言葉の壁」という問題を抱えた外国人労働者にとって、主な情報源はインターネットであり、英語等によるマニュアルの必要性というものも新しく提起された形となる。
 

◆加盟した彼女の言葉
「今まで仕事中けがをしても何もしてくれなかった会社が、組合の早急な対応で社長が謝罪し、治療費の全額負担と賃金保障をしてくれました。連帯労組に相談して本当に良かったです。」


くさりNO.739より

連帯ユニオン議員ネット