「フツーの仕事がしたい」でおなじみの土屋トカチ監督の新作「アリ地獄天国」が、3月21日、セブンシアター(*)で封切られた。コロナウィルス問題で自粛ムードが漂うなか、多くの観客が駆けつけた。
「あり地獄天国」は、ありさんマーク引っ越し社で働いていた青年が3年の長きにわたり会社相手に闘ったノンフィックション作品。
長時間労働に加え、業務中に起こした事故の弁済金45万円求められたことがきっかけでプレカリアート・ユニオンに相談。清水委員長の言葉で目覚め、いかに会社のルールに縛られて生きてきたか気づき、同時に一気に疑問があふれたという。
◆ 復職を勝ちとる
組合加盟後の会社からの攻撃は熾烈を極める。社内営業トップであった彼はシュレッダー係に配転され収入は二分の一に。その後、懲戒解雇まで受ける。社内には見せしめといえる「罪状ペーパー」なるものも張り出された。闘争を続けるなかで復職を勝ち取るが、配転先はシュレッダー係。
◆ 全面勝利解決!
最終的に慰謝料など金銭的なものだけではなく、プレカリアート・ユニオンとの間で「事故弁済をさせない」という協定も締結し全面勝利解決したが、これだけでいいのだろうか?
法律を無視した会社のルール、憲法に依拠した労働組合加入に対する不当労働行為。人権を無視したような職場配転。仮に負けても会社はお金を払うだけ。このような現在の法制度ではブラック企業が減ることはないだろう。
◆ 黒企業の撲滅へ
日本の年間自殺者数はおよそ2万人。勤務・生活問題での自殺者数は5000人を超える。土屋トカチ監督の親友山ちゃんもその一人。親友の力になれなかったことを悔やみ、労働問題を取り上げる決意を固めて制作したという。私たち労働組合もブラック企業撲滅のため奮闘しなければならない。
(*)現在セブンシアターは、緊急事態宣言により当面の間休刊になっております。
アリ地獄天国 ホームページ 上映スケジュールあります。
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