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「戦争国家」日本をめざす安倍政権を問う~政権の本質と過剰な軍事主義
 
2月21日エル大阪で、しないさせない戦争協力関西ネットワークは、纐纈厚(山口大学教授)氏を講師に、安倍政権の「戦争国家」づくりによる危険な動きについて学習会を開催した。
 
 
中北龍太郎共同代表(弁護士) 最初に主催者を代表して中北龍太郎共同代表(弁護士)から、本日は安倍政権の暴走について何を企て何をしようとしているのか、彼らの本質について見抜くため纐纈氏を招き講演をお願いしたとあいさつ。
中北龍太郎共同代表  
(弁護士)  



講師は、なぜ安倍首相は祖父の岸信介元首相を尊敬するのか?、自民党一般党員は石破幹事長を推し、財界や国会議員は安倍首相を推すのか?
岸は、戦前ドイツに長期滞在して当時のドイツを取り巻く状況をつぶさに見て、日本の独立国家のあり方を研究した。その一つに内務省の官僚として満州国の建設に携わり自らの基盤を築き、陸軍の東条英機や板垣征士郎とも手を組んだ。そのなかで高度な国防強化論を展開していく。岸は、戦前も戦後も一貫して日本独立論者であった。常にアメリカからの独立(自立)をめざしていた。

戦後、岸は日本独自の日本国憲法をつくり、アメリカから自主独立をして日本建設していくことをめざしていた。 戦後は親英米派(吉田茂派)を重宝し戦後政治を進める。一方、アジアモンロー派(アジアは日本任せろ・岸信介など)は戦争に負け戦犯となり一掃される。しかし、岸はA級戦犯になったにも関わらずGHQに認められ戦後復活して首相まで登りつめた。

安倍首相は、子どもの頃に祖父の話を何度となく聞き理解を深め、考え方の基礎になったのではないのか。 安倍首相は第1次政権のときは中国・韓国を訪れ友好を深めた。しかし、アメリカとの関係は是々非々論で対応する対等な関係にしようとして反発を受け辞任に追い込まれた。今回は、6年前の教訓を生かし日米同盟強化を前面に出し、日本版NSCや特定秘密保護法の成立を強行し、いまでは憲法9条(戦争の放棄)があるにも関わらず、超法規的に「集団的自衛権」行使が出来る解釈に変えようとしている。

日米防衛ガイドラインが橋本政権により再定義が行われ、2国間から多国間に発展させる防衛協定に変えた。対中海洋戦略では、「日本が盾、アメリカが矛」を「日本が矛、アメリカが盾」に変化している。対中国とは、日本が戦争を起こしアメリカが守ることになる。

日ロ戦争当時は、日英同盟を背景に英国の代理戦争として日本がロシアに参戦し10万人が亡くなった。このときの日英の密約は、「朝鮮半島を日本が支配し占領する」ことを英国は了解することであった。このように戦争は列強国の利害が相対立するときに起こっている。戦争に巻き込まれた小国はたまったものではない。

現在の自衛隊は、国防型から外征型に変化している。その1例として強襲用ホーバークラフトを自衛艦に搭載している。海上自衛官幹部が相次ぎ発言し、文民統制を制限し制服組統制を拡大している。当時の石破防衛大臣が了解したと言われている。

いま政府が上程しようとしている国家安全基本法案は、戦前の「国家総動員法」の現代版であり非常に危険な法案である。 安倍政権の「積極的平和主義」は、日本が戦争のできる国づくりへ突き進む憲法を無視した暴走である。

憲法9条の意味は、第1の罪として、侵略戦争という犯罪を止められなかったこと。(道義的責任)、第2の罪として、再び戦争に荷担をしない。ということだ。これを解釈改憲して「集団的自衛権」行使を容認することは、平和憲法を葬り去るに等しい行為である。

日本が中国と戦争へとなった場合、アメリカは高見の見物をして戦況によっては日中の仲介に入ってくる。と考えられると締めくくった。
 

        
纐纈 厚(こうけつ あつし)さん(山口大学教授)  講師プロヒール

専攻は日本近現代政治軍事史・現代政治社会軍事論。主な著書に「文民統制―自衛隊はどこへ行くのか」(岩波書店)、「侵略戦争と総力戦(社会評論社)等。 東アジア平和共同体構築をめざして中国・台湾・韓国などと学術交流を重ねる。憲法を活かす市民の会・やまぐち世話人


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