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国交省が「建設労働者の15%賃金引き上げ」を通達
すぐに賃金へ反映させよう!

 

9月半ば、連帯労組の無料相談窓口に1本の相談電話が入った。相談者は仙台に出稼ぎに出ている一人の労働者からだった。

彼は、手配師から日当2万円支払うという約束で仙台まで働きに出たのだが、実際には17000円しか支払ってもらえず、以前から知っていた連帯労組に相談したとのことだった。 私はすぐに手配師に連絡し、約束通りの賃金の支払いを求めた。しかし、手配師は「2万円の価値などない」と冷たく言い放った。

【 建設労務単価引き上げ活用を】
そこで、国交省から公共工事での建設労働者の賃金を15%(全国平均)引き上げるように通達されている(3月29日発表)がそれを満たしていないことを追求。
手配師は「そんな決めごとなど知らない」と返答してきた。私は「それでは、元請に正規の支払い報酬を求める」と伝えると、手配師はあわてふためいて「約束通りの賃金を支払う」と約束をしてきた。

国交省の指針は、建設業界で働く若者が激減していることに対する国の措置。労働者のためにあらゆる場所で活用しよう!

 

 

国交省が「建設労働者の15%賃金引き上げ」とは

ここがポイント (労務単価とは、工事費の中の人件費のこと)
公共工事設計労務単価を全国平均15パーセント引き上げる
(被災3県では、21パーセントの引き上げ)

 

なぜ引き上げたのか

 

図表は、国土交通省ホームページより抜粋

建設労働者の問題点は下記の2点

① 全産業の平均を約26%も下回る給与(表 2)

② 加入義務のある社会保険等に未加入(表 3)

結論
労務単価を15パーセント引き上げたので、賃金の引上げを図ること。また社会保険等への加入を徹底すること。

 

 

技能労働者への適切な賃金水準の確保に係る要請(抜粋)

国土入企第36号
平成25年3月29日

建設業団体の長 あて

国土交通省土地・建設産業局長

技能労働者への適切な賃金水準の確保について

本日、平成25年度の公共工事設計労務単価が決定・公表され、前年度と比べ、全国平均で約15%、被災三県の平均では約21%の上昇となったところである。 近年の技能労働者に係る就労環境の変化は大きく、建設投資の大幅な減少に伴って、 いわゆるダンピング受注が激化し、そのしわ寄せが労働者の賃金低下をもたらして、 若年入職者が大きく減少しており、このままでは熟練工から若手への技能承継がされないままに技能労働者が減少し、将来の建設産業の存続が危惧されるに至っている。
技能労働者の育成には一定の期間を要するものであり、ここで適切な対策を講じなければ、近い将来、災害対応やインフラの維持・更新にも支障を及ぼすおそれがある。
若年者が建設業への入職を避ける一番の理由は、全産業の平均を約26%も下回る給与の水準の低さであり、また、最低限の福利厚生であり法令により加入義務のある社会保険等に未加入の企業が多いことも大きな原因の一つである。
一方、現内閣は、その基本方針(平成24年12月26日閣議決定)において、 「雇用や所得の拡大を目指す」ことを掲げるともに、内閣総理大臣自身が経済界との意見交換会において、働く人の所得の増大を目指し、政府・経済界・労働界が大局的観点から一致協力して取り組むことによりデフレ経済からの脱却を図るとの方針を示している。こうした諸事情を踏まえれば、技能労働者に係る適切な賃金水準の確保は、建設産業全体の喫緊の課題であり、下記のとおり、適切な価格での契約及び技能労働者等への適切な水準の賃金の支払い等について、貴団体傘下の建設企業において、ご理解と適切な対応を図られたく、周知徹底方お願いする。

 

1.技能労働者への適切な水準の賃金の支払に対する特段の配慮
公共工事の適正な施工を確保するためには、技能レベルが確保された労働者による施工が不可欠であり、こうした技能者の確保・育成には適切な水準の賃金の支払が極めて重要である。また、技能労働者に対して適切な水準の賃金が支払われることは、公共工事設計労務単価及び予定価格への反映を通じて発注価格の水準の適正化にもつながり、これにより技能労働者に対する適切な水準の賃金支払も可能になるといった健全な循環の実現に寄与することとなる。加えて、現内閣においては、公共投資の拡大を労働者の所得増加に結びつけ、消費の拡大、さらには生産の拡大を通じてデフレ経済からの脱却を目指しているところであり、公共事業の受け手である建設業における労働者の賃金引上げは、極めて重要な課題である。平成25年度の公共工事設計労務単価の上昇は、直接的には発注者が積算する予定価格の上昇につながるが、これを技能労働者の処遇改善につなげるためには、建設業界全体が一定の共通認識を持った上で、取り組みを進める必要がある。
このため、これらの点に十分留意の上、適切な価格での下請契約の締結を徹底するとともに、下請企業に対し、技能労働者への適切な水準の賃金の支払を要請する等の特段の配慮をすること。専門工事業者においては、雇用する技能労働者の賃金水準の引上げを図ること。
なお、国土交通省においては、公共工事設計労務単価の上昇が技能労働者の賃金水準の上昇に結びついているか、別途実態を把握した上で、その状況を翌年度の公共工事設計労務単価の改訂に反映することとしているので留意されたいこと。

2.法定福利費の適切な支払と社会保険等への加入徹底
社会保険等への加入は、労働者を雇用する事業者及び労働者にとって法令上の義務であり、また、技能労働者に最低限の福利厚生を保障して、若年入職者の確保を図ることが技能承継を通じた建設産業の持続的発展に不可欠である。今回改定された平成25年度の公共工事設計労務単価においては、技能労働者の加入に必要な社会保険料(本人負担分の法定福利費)相当額が勘案されているほか、既に平成24年4月に行われた現場管理費率式の見直しにより、事業主が負担すべき法定福利費についても、適切に予定価格に反映されるよう措置されている。このため、元請企業においては、下請企業に対し、社会保険料(事業主負担分及び労働者負担分)相当額を適切に含んだ額により下請契約を締結すること。また、専門工事業者においては、既に作成が進んでいる標準見積書及び作成手順書の活用等により見積書における法定福利費の内訳明示を推進するとともに、技能労働者に対し、法定福利費相当額を適切に含んだ額の賃金を支払い、その使用する労働者を法令が求める社会保険等に加入させること。

3.若年入職者の積極的な確保
若年者の処遇改善により若年入職者を確保した企業が円滑な技能承継を通じて伸びていくことができるという健全な循環を形成することができるよう、今回の公共工事設計労務単価の引上げを若年者の賃金引上げと社会保険等への加入につなげることによって、これまで困難であった若年入職者の確保を積極的に推進すること。

4.ダンピング受注の排除
平成24年度補正予算の経済効果の早期発現を図り、デフレ経済からの脱却を図るため、さらには、近年のダンピング受注により下請企業へのしわ寄せが、技能労働者の賃金水準の低下や社会保険等への未加入といった処遇悪化を招き、これが若年労働者の確保に大きな支障となっている事態を改善するためにも、発注者から元請企業、下請企業を通じて技能労働者に至るまで持続可能性を確保できる資金が適切に支払われることが重要である。 このため、工事の品質確保に必要な費用を適切に見込んだ価格による契約締結を徹底し、ダンピング受注を排除するとともに、建設業法第19条の3に規定されているとおり、自己の取引上の地位を不当に利用して、工事の施工に通常必要と認められる原価に満たない金額での契約を締結してはならないことについて、改めて徹底すること。

5.設計変更に伴う下請企業への適切な支払
「公共工事の迅速かつ円滑な施工確保について」(平成25年3月8日付け総行行第43号、国土入企第34号)2. (1)において、労務の需給に係る状況等から入札不調・不落が懸念される地域においては、地域外からの労働者確保に要する間接費の設計変更について、「平成24年度補正予算等の執行における積算方法等に関する試行について」 (平成25年2月6日付け国技建第7号)を参考として適切な運用に努めるよう公共発注者あて通知されたところであるが、この措置に基づき、設計変更により発注者から追加費用が支払われる場合において、地域外からの労働者確保に要する費用(宿舎費等)や資材の遠隔地からの調達に伴う輸送費等を下請企業が負担しているときは、元請企業は、設計変更により追加支払が行われる趣旨にかんがみ、また、労働者に適切に賃金が支払われるようにするためにも、下請企業にその負担額を適切に支払うこと。

6.労務費の急激な変動への対応
国土交通省においては、当分の間、各地域の技能労働者の賃金の推移を注視するとともに、賃金水準の上昇の兆しがみられる地域については、賃金の急激な変動により公共工事設計労務単価が賃金実態を反映しておらずに年度途中の見直しが必要かを検討するために、より詳細な調査を実施することとしているので、これにご協力いただきたいこと。

7.資材不足等への適切な対応
公共工事の増加に伴う建設資材の不足や価格上昇についての情報を適切に提供いただくとともに、不足や価格上昇が具体化した際には、建設資材対策地方連絡会等を通じ、公共工事発注者、資材団体等と情報共有を図りつつ、連携して適切な対策を講じること。


 


国土入企第37号
平成25年3月29日

各都道府県知事 殿
(市町村担当課、契約担当課扱い)
各都道府県知事、各政令指定都市市長 殿
(契約担当課扱い)

国土交通省土地・建設産業局長

技能労働者への適切な賃金水準の確保について

本日、平成25年度の公共工事設計労務単価が決定・公表され、前年度と比べ、全国平均で約15%、被災三県の平均では約21%の上昇となったところです。 近年の技能労働者に係る就労環境の変化は大きく、建設投資の大幅な減少に伴って、いわゆるダンピング受注が激化し、そのしわ寄せが労働者の賃金低下をもたらして、若年入職者が大きく減少するとともに、高齢化が著しく進展しており、このままでは熟練工から若手への技能承継がされないままに技能労働者が減少し、将来の建設産業の存続が危惧されるに至っています。技能労働者の育成には一定の期間を要するものであり、ここで適切な対策を講じなければ、行政の責任である将来の災害対応やインフラの維持・更新にも支障を及ぼすおそれがあります。
若年者が建設業への入職を避ける一番の理由は、全産業の平均を約26%も下回る給与の水準の低さであり、また、最低限の福利厚生であり法令により加入義務のある社会保険等に未加入の企業が多いことも大きな原因の一つです。 一方、現内閣は、その基本方針(平成24年12月26日閣議決定)において、「雇用や所得の拡大を目指す」ことを掲げるともに、内閣総理大臣自身が経済界との意見交換会において、働く人の所得の増大を目指し、政府・経済界・労働界が大局的観点から一致協力して取り組むことによりデフレ経済からの脱却を図るとの方針を示しています。
こうした諸事情を踏まえれば、技能労働者に係る適切な賃金水準の確保は喫緊の課題であり、下記の措置を講じることにより、適切な価格での契約及び技能労働者等への適切な水準の賃金の支払い等を促進していただけるようお願いいたします。 以下省略

国土交通省ホームページより抜粋

 


国土交通省?【報道発表】  【会議資料】  【議事概要】

 <技能労働者への適切な賃金水準の確保に係る要請について(平成25年3月29日)>


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