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被爆67周年原水爆禁止世界大会

被爆67周年原水爆禁止世界大会が8月4日から6日に広島で行われ、連帯ユニオンからはの女性組合員2名が参加しました。「核も戦争もない平和な21世紀に!」をスローガンに開催された同大会は、7月28日の福島大会を皮切りに広島大会を経て8月9日の長崎大会最終日までを一連の行動として取り組まれました。世界中から集まった参加者たちは、改めて「核と人類は共存できない」ことを強く内外に訴えました。
(主催/同実行委員会:原水禁・連合・核禁会議3団体)

連帯ユニオンは以前から活動の一環として原発反対・核兵器廃絶の平和運動に取り組んでおり、この原水禁の広島世界大会も毎年組合員が数名参加しています。2人とも本大会はもとより、広島へ行くのが初めてで期待を膨らませワクワクしていました。

初日の4日、私たちは開会集会後に行われた折鶴平和行進に参加しました。広島平和公園前から県立体育館まで行進した約6500人は、街ゆく市民に核兵器廃絶訴えてきました。引き続き同体育館で行われた「核兵器廃絶2012平和ヒロシマ大会」で核兵器廃絶に向けた運動の前進を誓いました。 
リンク 「ビデオ報告

5日は国際会議と8つの分科会が行われ、私たちは第6分科会の「ヒバクシャを生まない世界に2-交流・討論編-」に参加しました。振津かつみ医師、平野伸人さん、郭貴勲(カク・キフン)さんら3人の講師が被爆者の現状と課題を語ってくださった後、放射能汚染の実態と被爆者への国家補償のあり方などが討論されました。  分科会の後、地元の方々と交流する機会があり、「黒い雨(※後述)」のお話しに心が打たれました。

6日にはまとめ集会が行われ、「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアフクシマ、ノーモアヒバクシャ」をスローガンとするヒロシマアピールを採択し、全世界へ発信。「核と人類は共存できない」ことを改めて確信し、核廃絶・脱原発の流れを大きく前進させるための誓いを新たにして行動を提起しました。

◆「ヒロシマアピール」全文


世界最初の原子爆弾が炸裂したあの日から67年目のこの夏、私たちはここ広島の地に集まり「核と人類は共存できない」ことを改めて確信し、核廃絶・脱原発の流れを大きく前進させるための誓いを新たにし、行動を提起しました。
 
2011年3月11日に発生した、東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故による放射能被害は1年5ヵ月近くを経過した今なお、収束の目途は立っていません。広島・長崎の悲劇を二度と繰り返さず、原子力・放射能による被害を出さないことを運動の柱にとりくんできた私たちは、福島第一原発の事故を防げなかったことに、強い反省と憤りを感じざるをえません。
 
日本全体で脱原発への動きが強まっていくなかで、野田首相は2011年12月16日に福島第一原発事故の収束宣言を出し、2012年7月1日、18日には福島第一原発の事故以来停止させていた大飯原発3・4号機を再稼動したことは、国民の脱原発への思いを踏みにじる行為であり、強い怒りを感じざるをえません。
2012年7月16日に、東京・代々木公園で行われた「さようなら原発10万人集会」には、全国から17万人が結集し脱原発を訴えました。誰も核との共存を望んでいないことは明らかです。
 
1975年、原水禁国民会議初代議長の森瀧市郎さんは、米国などの核保有国の戦略展開地域、核実験場になっている太平洋地域を非核化することが目的で開催された「非核太平洋会議」に出席し、その年の原水禁世界大会で「核絶対否定」の理念を明確に打ち出しました。この理念は私たちの運動の原点となるものです。
 
米国をはじめとする核兵器保有国の政策を注視し、核軍縮に向けた動きを確実なものにする運動を作らなければなりません。具体的な核兵器廃絶への動きや核保有国の核軍縮状況を検証し、今後の私たちの運動を展望することが必要です。日本政府は、核兵器廃絶を主張する一方で、米国の核の傘に依存するという矛盾した政策を継続してきました。核の抑止力に依存し続けるなかで、世界に向けて核廃絶を訴えることは、説得力を欠くものです。被爆国の政府として、このような曖昧な姿勢しか持てないことは問題です。
私たちは、広島、長崎の原爆投下にはじまった核時代に生きています。ヒロシマは、人類が生き残るために核兵器を廃絶するしかないことを教えています。そして、今こそ、「核と人類は共存できない」ことを強く訴えなければなりません。

私たちは、67年前のあの暑い夏のヒロシマの経験を原点に、さらにフクシマを胸に刻み、次のことを強く訴え、核も戦争もない平和な21世紀を子どもたちに贈るとりくみを全力で進めます。

○くり返すな原発震災! めざそう脱原発社会!
○許すな再稼動! 止めよう再処理!
○安心して暮らせる福島を取り戻そう! 子どもたちを放射能から守ろう!
○エネルギー政策転換! 持続可能なエネルギー利用を増やそう!
○武力で平和はつくれない! いかせ!憲法9条
○非核三原則の法制化を! 東北アジアに平和と非核地帯を!
○ストップ!米軍再編 沖縄に米軍基地を押しつけるな!
○核兵器廃絶へ! 核兵器禁止条約をつくろう!
○すべてのヒバクシャの権利拡大! 被爆者、二世・三世に国家補償を!

ノー モア ヒロシマ、ノー モア ナガサキ、ノー モア フクシマ、ノー モア ヒバクシャ

2012年8月6日 被爆67周年原水爆禁止世界大会・広島大会



集会後に私たちは原爆資料館へ向かいました。被爆者の写真など様々な資料を見て、改めて理不尽な戦争への怒りと核兵器廃絶の思いが大きくなりました。「核と人類は共存できない!」。そう思うと、福島第一原発事故の苦い経験を経ても大飯原発を強引に再稼働させる政府や、原発推進の「原子力村」に対しても同様の思いがわき上がってきました。
戦後67年経った今も原爆症に苦しむ人たちが居られること。国家補償の対象となる爆心地の規定から、ほんの少し外れただけで補償対象とならないこと。被爆者援護の為の訴訟が粘り強く闘われていたことなど、私たち2名はこの大会に参加させていただいたおかげで深く理解することができました。
 
戦争や核開発の影には、いつも巨大な「国家」に苦しめられる民衆が居ます。私たち労働者や市民が団結し、「核も戦争もない平和な21世紀」を子どもたちに贈る取り組みを全力で進めなければ、その「国家」すら無くなる日が来るのかもしれません。私たちひとりひとりの力は小さいけれど、みんなが手と手ををつないで未来に生きる子ども達のことを真剣に考えれば、大きな力となって平和な21世紀が創り上げられると思います。

(報告/連帯ユニオン執行委員)

 


原子爆弾 被曝

ヒロシマ・アーカイブ  

ヒロシマ・アーカイブを動画で紹介しています。
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 ヒロシマ・アーカイブ

ナガサキ・アーカイブ

※「黒い雨」のお話し
分科会の後で地元の方々と交流する機会があり、以下の様なお話しが聞けました。
1945年8月6日、広島に投下された原爆はきのこ状の雲となり、爆発で巻き上げられたチリやほこり、大量の放射線物質と共に上空で急速に冷やされ、「黒い雨」となって広島の町に落ちてきました。
この黒く濁った雨は強い放射能を帯びているため、直接打たれた者は二次的な被爆(被曝)が原因で、頭髪の脱毛や、歯ぐきからの大量の出血、血便、急性白血病による大量の吐血などの急性放射線障害をきたしました。大火傷・大怪我をおった被爆者達はこの雨が有害なものと知らず、喉の渇きから口にする人が多かったと言います。
また、原爆被災後、他の地域から救護・救援に駆けつけた者も含め、今まで何の異常もなく元気であったにもかかわらず、突然死亡する人が沢山居られたそうです。この「黒い雨」で水は汚染され、川の魚はことごとく死んで浮き上がり、この地域の井戸水を飲用した人は下痢をする事が非常に多かったと証言されています。
私は「黒い雨」という言葉は知っていましたし、漠然と想像もしていましたが、地元の方々と交流して詳しい話が聞けたことで非常に感銘を受けました。今後も放射線被害について人々が声高に主張すれば、それを根拠に原子力に反対する人々がふえ、核はこれまで言われてきた以上に危険だという考えがますます広がると思います。

◆ 未だに認められない「黒い雨」問題 ◆ YouTube 黒い雨
直接被爆しなくとも苦しんでいる人が今もおおぜい居られます。救援・救護活動や肉親を捜すために爆心地近くへ行って残留放射線で被爆された方々や、「黒い雨」によって二次被爆を受けた方々は、深刻な肉体的・精神的な不調をきたしていても国から「被爆者」として認めてもらえません。
まして二次被爆の場合は直接爆風にさらされるよりもタイムラグがあり、加害者にとって都合のよい責任逃れの口実となり得ます。医学的な関連性を示す統計データが少ない(とされている?)ことから、目に見えない放射線の健康被害は時間が経つと、「放射能が原因の病気(被爆)」という実証が難しいと言われます。何年も何十年も経ってから発ガンすることもあるからです。このことから「放射能が直接的要因で亡くなった例はない」などと、平気でうそぶく加害者も出てくるのです。(「東海村JOC臨界事故」では被爆による死亡者が出ているのですが)

 

● 「隠蔽体質」「原発再稼働」 慰霊塔の碑文が泣いています

昨年起きた福島原発事故も同様なことが言えると思います。都合の悪いことを隠し続け原爆の教訓を生かさず被害をなるべく少ないものに見せかけようとする政府。国策である原子力開発の妨げになるものは何であれ「問題」という訳でしょう。67年前に起きた被爆問題も1年前に起きた被爆問題も解決もされぬまま、原発を再稼働してしまう政府が私には理解できません。 広島原爆慰霊塔に刻まれている「安らかに眠ってください 過ちは繰返しませぬから」の文字が泣いていました。

今回、M執行委員と初めて原水禁世界大会に参加させていただき、私たち二人は改めて平和への思いを大きくしました。この思いを今後の組合活動に生かし、運動に取り組んでいきたいと考えています。どうもありがとうございました。

(報告/T組合員)


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