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日韓労働者交流・共同行動

02年韓国建設労組と連帯労組の交流・共同行動を始め今年で8年目になる。訪韓2日前、東洋レミコン分会長が未組織労働者に刺殺され組織部長も重体と知り衝撃を受けた。 建設労組は、イ・ミョンバク政府から「解散しろ」と再三迫られているが、「労働者の権利である」と主張。建設プラント労組闘争の果敢な闘争報告を聞き、哨戒艦沈没事件・沖縄基地移転問題・尖閣諸島問題等アメリカのシナリオによって物事が進められていることを互いに認識し、共に闘っていくことを確認した。

11月5日、1953年7月停戦の朝鮮戦争で同一民族が分断されている38度線を見学。次いで建設労組で労使関係が安定し、労働条件の良い新晃レミコンを見学。生コン出荷は、年間45万立米。生コン価格は、高性能で立米1万円(日本円)、平均立米5千円が主流。工場の出荷能力は、1H400立米。生コン労働者の賃金は、月額日本円で35万円であるが償却(一人親方)で家庭に持ち帰るお金は20万円を切り、けして良い賃金ではない。
 
■ 熱い志と団結を実感!
今年の前夜祭は、民主労総内部でその在り方について議論、韓国各地で分散開催され私達は、ソウル駅前の前夜祭に参加。一夜明けて、建設連盟大会とソウル市役所前で開催された11・8韓国民主労総全国労働者大会に参加。今年は、チョンテイル烈士1970年11月13日「人間らしい生活を」「勤労基準法を守れ」と焼身決起した40年の節目となる労働者大会だ。会場には、約5万人の労働者が結集。イ政権の「労働者弾圧糾弾」・「非正規職撤廃」「G20糾弾」を掲げ、歌や律動・寸劇等大いに盛り上がり、「労働者は団結しよう」のアドバルーンが空に舞い、労働者大会は成功裡に終了。会場は特殊警察が二重・三重に取り囲んでいたが建設労組のガードによって問題なく会場を後にした。今回、訪韓して思ったことは、資本は、安い労働力を求め、資本家が使いやすい労働条件を労働者に押しつける。 これは日本も韓国も同じである。
ただ違うのは、韓国の労働者の結束力・団結力は日本とは違うと実感した。 

 
11月2日から8日までの間、日韓民主労働者連帯が毎年取り組んでいる訪韓団として、民主労総全北本部の各闘争現場訪問を中心にチョンテイル財団および水曜集会への参加した。ソウルでの初日は、シベリア寒気団のせいで朝鮮半島も底冷えの寒さで、痛いほどだった。その寒さの中、ソウル日本大使館前で1000回近くに及ぶハルモニ達が参加する「水曜集会」に参加した。
 
主催するのは、先の侵略戦争で日本政府・日本軍による「女子挺身隊」として戦場に駆り出されて筆舌に尽くしがたい絶望を経験させられたハルモニ達と支援する挺身隊対策協・市民団体・宗教家・人権活動家に労働組合や海外から集まった仲間達である。ハルモニ達の心に開いた深い傷口を埋めるものは日本政府の謝罪と保障でしかないのだ。今、ハルモニ達の活動は韓国から世界に広範につながってきている。すでに、その取り組みは国連やILOを動かし、日本政府に対して国際社会の要求としてハルモニ達の愁訴を強く求めるものであり、すでに100万人署名運動を起こさせるほどの大きな取り組みに成っていること、世界中の人権活動家達を巻き込んだ国際世論の高まりに変化してきているにもかかわらず、日本政府は旧態依然としてハルモニ達に対する保障と謝罪については、一切の耳を傾けようとせず、請求訴訟についても相次いで棄却することを行っている。問題はここからである、国際的動向に対していつまでこのような姿勢がとり続けられるのかということである。ハルモニ達も高齢でなくなる方も相次いでいるらしいが、私たちは彼女たちの慟哭を決して忘却することなく歴史の真実に目を向けなくてはならない。水曜定期集会の後にチョンテイル財団に伺い、チョンテイル氏のお母さんであるイソソンのオモニにお会いする機会も与えていただいた。
 

チョンテイル像

■ チョン烈士「炎の抗議」40周年!
今年の「全国労働者大会」のスローガンは「我々は、もう一度チョンテイルに成ろう」というものであり、40年前に勤労基準法を守れと訴え、自らを炎に変えた青年が求めた民主化運動精神継承の年として多くの疎外された労働者である非正規雇用労働者との強固な連帯を求めている。チョンテイルの戦いの原点は、もっとも底辺で搾取されて長時間労働に苦しめられている労働者達に対する愛情と救済であり、今日の非正規雇用労働者に対する愛情と理解を基軸にした同志的結合を呼びかける原点ではないだろうか。韓国の仲間が心の母と尊敬するオモニにお会いする機会を与えていただいたことに本当に感謝したい。オモニは、今年の春頃に高血圧と糖尿病を患って闘病生活をされていたと聞いていたので、心配していたが82歳の笑顔は健在であった。
我々組合が大阪で4ヶ月に及ぶストライキをしていることをオモニに説明すると「日本の労働者もなかなかやるじゃないの、がんばんなさいよ」と励ましていただいた。
 

くさりNo,740より

2010.11.04-08訪韓団 報告 >>つづく
2010.11.04-08訪韓団 速報版「写真集」 >>つづく

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