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 岩国基地大強化反対!愛宕山に米軍住宅はいらない!
7・30関西学習交流集会

'10岩国・労働者反戦交流会実行委員会は7月30日、エル大阪会議場(大阪市中央区)において『岩国基地大強化反対!愛宕山に米軍基地はいらない!7・30関西学習交流集会』を開催した。沖縄・普天間基地移設計画が地元住民や世論の反対意見で迷走しているなか、岩国基地(山口県)周辺では米軍再編計画が粛々と進められている。実行委員会は『愛宕山を守る市民連絡協議会』代表世話人の岡村寛さんを招き、これまでの経緯や基地反対運動の取り組みなどのお話を伺って学習会を開催すると共に、関西から基地反対運動を支援する人々を結集させ交流会を催した。

集会では冒頭、連帯ユニオン近畿地方本部執行委員長・垣沼陽輔が先に行われた参議院選挙を総括し、「民主党が議席を減らし、表面的には保守が勝ったようにみえる。議席増の〝みんなの党〟は小泉路線の新自由主義を継承するものだ。このままでは〝非核3原則〟の見直しの動きも懸念される。普天間基地の徳之島への移設を断念したことで、米軍と自衛隊にとって岩国基地の重要性が出てきたという現状のなか、愛宕山米軍住宅・施設建設を黙って見過ごすわけにはいかない。私たちはこれからも反戦運動を進めていく」と主催者を代表して挨拶を行った。
同じく主催者を代表して挨拶にたった『アジア共同行動日本連絡会議(AWC)』の白松哲夫氏は、「日常生活の中で反戦運動を進めることに感動している。しかし、辺野古を応援することで自己完結している人が多いのではないか?岩国集会に集まる人が多いのはとてもうれしい。日本政府は日米安保ではなく日米同盟などと最近言っている。偽りを貫くために米軍基地を強化しようとしているが、これを打ち砕かねばならない。かけ声だけではなく、寄り合って決意と実践を前進させるために奮闘したい」と参加者に呼びかけた。続いて『5・23岩国市民大集会』の模様を上映した後、『愛宕山を守る市民連絡協議会』代表世話人の岡村寛さんが講演を行った。
 
岡村さんの講演
5・23の岩国市民大集会には大阪からも多くの参加をいただき有り難うございました。前回は6月に大阪に来て岩国の話をさせてもらいまして、今日は2回目になります。さて、今日の資料は3月31日に衆議院の第一議員会館で行われた『沖縄議員勉強会』のために作った資料です。
岩国問題の概略は、大きな契機としては1968年に九州大学に飛行機が墜落し(1968年6月2日夜10時45分頃、福岡の板付基地に着陸しようとしていた米空軍の偵察機が建設中の九州大学大型電算センターに墜落)、墜落機と同型の偵察機が配備されている岩国基地周辺の安全面や騒音の問題で「沖合に工事をしてくれ」と運動があったことです。
20年以上放っておいて、1993年にやっと国が動き出し、沖合1km先に埋め立て地を造り、そこに滑走路を造ることになりました。土が要るので愛宕山を削り、その土を埋め立て用に持っていきました。地主から土地を買い取って始めたのですが、バブルがはじけ情況が替わり、工事の見直しがありました。米軍基地再編問題が起きた時には、岩国基地沖合拡張工事をしていましたが2007年6月、県と岩国市で開発中止が合意しました。県の方針は「沖合移設という国家プロジェクトに協力した。このままでは愛宕山開発に投資した260億円が赤字として残る。赤字解消を図るには国に買ってもらうしかない」というものです。そして、「土地の使用を地元の意向を見ながら決めてほしい」という要望を国に出しています。県の住宅供給公社は、地主から土地を買って、山を削って土砂を搬出しただけで何もやっていません。国、県、市の思惑が右往左往し、市民にも混乱が広がる中で私たちは岩国基地の強化反対運動をしてきました。

※06年3月、合併前の旧岩国市(井原勝介市長)で、空母艦載機移駐計画の受け入れの賛否を問う住民投票が行われ、反対票が87%を占めた。06年4月、合併による新しい岩国市長選挙では、移駐反対を訴えた井原氏が次点候補の2倍以上の得票を得て当選を果たした。06年末、「民意」を根拠に移駐反対を唱える市長に対し、国は新市庁舎建設費の07年度分の交付金約35億円の支給を見送った。以降、移駐反対を訴え続ける市長と、移駐容認派が多数を占める市議会との対立が激化。市長が代替財源として打ち出した合併特例債の発行を盛り込んだ予算案は、市議会で4度にわたって否決された。07年12月、市長は「民意を問いたい」として、自らの辞職と引き換えに予算案の可決を議会に求め、議会もこれに応じた。公職選挙法などの規定に基づき、「出直し選挙」が行われた。市議や経済界などの移駐容認派は、衆議院議員の福田良彦氏を対立候補として擁立した。

市議会の予算を通すために市長はクビを差し出して辞めました。これは正常な選挙ではありませんでした。自民中心の金と人が動く選挙で、老人ホームに押しかけて投票を迫るなど無茶苦茶な選挙でした。基地反対派の前市長が負けて市民はショックを受けました。自民党陣営からは「民意などなんとでもなる」という声があがりました。
私たちは地元12名が中心となり、自治会長を中心に『愛宕山を守る会』を作りました。次第に支援してくださる人たち集まって連絡会ができ、即、運動を開始しました。そして、意見書を作成し、市会議員へのアプローチなどを行い、米軍再編・米軍住宅を造らせない運動を関係機関にぶつけました。署名には市民の3分の1が賛同し、集会も催しました。
沖縄は国と闘い成果をあげていますが、私たちは、国、県、市と闘っています。非常に厳しい現実に直面しているところです。
昨年12月、国は基地に対して199億円の予算措置をしました。(民主党中心連立政権の)国は自民政権以上に我々の意見を聞かず、言っていることは「普天間基地は見直しだが他の地域はこれまで通り」という方針を押し付け、「理解してほしい」と言うだけ。私たちの不信感はつのりました。政府の強引なやり方が着実に進んでいるということです。
集会をしたり要望をしても民意は踏みにじられます。だが、声をあげなければもっと早いスピードで進んでしまう。
「もう実力行使しかない」と会員から声があがりました。愛宕山で座り込みを開始するしかない。やみくもではなく、辺野古に学んで効果的なやり方を勉強しました。沖縄で感じたことは、「鳩山さんよくやってくれた」でした。彼は寝た子を起こしました。辺野古にはU字滑走路設置が決まっていましたが、安次富浩さん(あしとみひろし/沖縄・名護ヘリ基地反対協代表委員)たちは「杭1本打たせない」と頑張っていました。沖縄はひとつの民族として自信を持っています。歴史と文化があり、「ウチナンチュ」という独立精神の意識を見ました。沖縄では、ジュゴン保護の裁判もカリフォルニアで裁判を起こしています。原告にジュゴンを入れ、そして勝利しています。
沖縄と発想は違いますが、自分たちの物差しで計って、そこに正義があるなら頑張れます。8月から座り込みを開始しますが、簡単ではありません。候補地は交渉していますが、地主さんは保守的な考えの人が多く、早急に解決をはかりたいと思います。
愛宕山の上には神社があり、祭りがあって私には子どもの頃からの想い出があります。今回、大総代の責任代表に私がなりました。氏子の人たちに説明をして神社の敷地にテントを張って闘争をしたいと思っています。沖縄に学び、粛々と我慢強く、粘り強く闘い抜く大事さを大切にしたいと思います。
岩国では、『少年海軍航空隊』から72年以上も基地があり続けて、住民は生活しています。沖縄のように〝反基地一色〟というのはなかなか難しいものがあります。過去に基地周辺で商売をして儲けた人は、また基地で儲ける夢を見ています。2400億円の予算が下りたが、事業自体は東京の大手ゼネコンで請け負われ、箱物ばかり造っています。沖縄では1000億円出ていますが、地元の業者はほとんど恩恵を被っていません。岩国もそうなると思います。
今、4つの訴訟をしています。まず〝海の裁判〟で、滑走路拡張の埋め立て承認の変更を環境調査をなんらせずにすんなり認めたことに対して、「調査をしなさい」というのが海の裁判です。現実は5月25日に埋め立てが済んで飛行機が飛び始めましたが、裁判は済んでいません。そろそろ結審されると思います。
2つめに〝岩国爆音訴訟〟で、645名が原告となっています。「米軍再編取り消せ」「夜11時飛行はやめろ10時までにしろ」というものです。基地の運用面、再編面の見直しを迫る裁判は難しいですが、騒音賠償は勝てる見込みがあります。
3つめの裁判は〝山の裁判〟で、「愛宕山開発の認証取り消し全面変更」を求めています。原告適格が問題で、平和的生存権と地主の利益を求めてやっています。日本人が平和的に生存する権利が脅かされている可能性があり、広島で裁判をやっています。
4つめは〝情報公開〟の問題。勉強会を行いましたが、そこで国からの「タッチ&ゴーを認める代わりに民間空港を造ってやるから愛宕山を使えるようにしろ」とか、「選挙が近いから愛宕山問題を抑えろ」とかの圧力があったことが暴露されました。情報の公開を岩国市は拒否しています。過去の判例では公開しているので、我々が勝つと思います。
私たちの活動は、国や県や市が民意をまったくくまない中でも弁護士さんが助けてくれているし、沖縄も関西も応援してくれています。皆さんの連帯が心強く、嬉しく思います。11月に岩国国際集会を開催します。このように、皆さんに情報発信が出来る喜びを感じています。今日は有り難うございました。

質疑応答
Q:座り込みに関して。敷地の選定に苦労しているようだが、8月に出来るのか?またどのような支援がありがたいのか?
A:日程は沖縄から帰ってから集会で決める予定でしたが、8月は盆踊りシーズンで忙しく決定が遅れています。『愛宕山を守る会』は自治会の人を中心に結成されたので、盆踊りを主催する自治会の人が多く、日程調整・敷地選定が遅れていますが、8月中には必ずします。場所が確保出来たらテントを2つ用意して〝檄布〟を作ってアピールします。マスコミの関心が高いので効果があると思います。支援は、力強い檄布があるとありがたいですね。

岡村さんの公演後、『全港湾大阪支部』と『しないさせない!戦争協力ネットワーク』の代表からそれぞれ連帯アピールがあり、主催者挨拶後に閉会した。

 

 

岩国飛行場(岩国基地)とはウィキペディアより  
岩国飛行場(岩国基地)は山口県岩国市三角町2丁目に所在する、アメリカ海兵隊と海上自衛隊が使用する官有の飛行場・基地である。

参考資料

新滑走路埋め立て中の写真

ウィキペディアへリンク
2007年2月12日の写真 写真 高解像度写真 
滑走路は埋め立てが
終わり造成中の写真
Googleマップ
航空写真 拡大するとくい打ち機や工事車両が見える
主意書+答弁書

米軍再編に伴う岩国基地騒音問題に関する質問主意書

山口県の総務部岩国基地沖合移設対策室発表資料「 岩国基地再編案に関する補足検討結果」にると、岩国基地再編が行われると飛行回数389回/日となる。
これは、関西国際空港の2009年度航空機発着回数 108,672回/年 297回/日に比べても相当多い。なお岩国基地の平成16年実績の離着陸回数は、年間約46,900回で1日当たり128回である。
参考写真
基地内で火災が発生している様に見える写真
連帯ユニオン議員ネット