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断固たる自分
~高英三という生きざま~
■B5判200頁カラー 
■発行日:2009年6月7日
■編集発行者:
高英三記念編集委員会
■領布価格:
1部1,000円(送料別途500円)

連絡先
関西地区生コン支部
副執行委員長 高英男
TEL 06-6583-5546まで

発刊の辞

奥山 典子

二〇〇三年二月、英三のお別れ会をした夜、仲間のみんなは英三の本を出そうと口々に言ってくれたのでした。追悼や思い出のためなんかじゃなくて、英三のことばを資料にして残さずにいられない、英三のことばから学ぶのだとみんなが言ってくれたのでした。英三は亡くなってしまったけれど、ことばはなくさずに残したいと言ってくれたのでした。
私も、私や家族が自分たちのために、英三を焼きつけ、残し、くり返し考えるために書き残したかったのです。それから毎月一回集まって編集会議をしてプランを練り、素晴らしい原稿もいくつも提出されていましたが、その間、みんなに人生のいろんな試練があり断続的になり、五年の月日がたってしまいました。もうこれ以上遅らせることはできないとみんなが心もとなく思っていた時です。編集に途中参加してくれた印刷業界で働く友人が、若者が絶望しているこの今こそ、英三のことを若い人に知ってもらいたいのだと熱く語ってくれ、停滞していた本作りを著しく押し進める原動力となってくれたのです。
ある友は原稿を書くために奈良の興福寺に阿修羅を見に行ったと話してくれました。ある友は今の苦しみの中で、英三が励ましてくれたことはまだ具体的に書けない、だから今はこれだけしか書けないと言いました。ある友はいつか英三のことを小説に書きたいと言ってくれました。ある友ほ英三が死んだ事をまだ受けいれられないと語りました。
ある友は英三が死んだ時この世にこれほど悲しいことがあるのかと思ったと語ってくれました。 英三が、今もいきいきと皆の心に残っていること、英三がちっとも古びずにいることがうれしかったのです。そして何より、この本が仲間の力でできたことがほんとうに幸せでした。
原稿を書いていて、最初は若しかったのに、最後にはとても幸せな作業だったなあと思わずこみあげてくるものがありました。みんなの原稿をみるたびに励まされ、書きたい思いがあふれてきました。また、写真が入ったこの本のゲラを見た時の感動は生まれて初めてのことでした。古いアルバムで見なれた写真が本の中でゆらゆらと動いて英三やハルモニやアボジやオモニや兄弟姉妹や友人が生きて動いているようにみえたのでした。
若い人々が今苦しんでいます。うちの息子達も下積みの労働で苦しんでいます。 編集者の友人が、今こそ若い人々に英三を読ませたいと熱く語ってくれました。 わたしもいつのまにか若い人に読んでもらおうと思って書いていました。私の書いた部分で自画自賛な点がたくさんあったと思いますが、どうぞお許し下さい。
仲間の力でこの本ができました。私たちの大切な本になることを願っています。
みなさん、本当にありがとうございました。

二〇〇九年一月二日



連帯ユニオン議員ネット