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■ 関西地区生コン支部第4回中央委員会・生コン支部武建一執行委員長からの情勢報告


 本年最後の中央委員会ご苦労さまです。1年前、勢いのある運動ができるはずだと指摘し、学習会等でも訴えてきましたが、振り返ってみてどうでしょうか?
自然には潮の満ち引きという法則があり、我々の人生や組織、経済もこの自然の法則の影響を受ける循環的なものですが、今、その潮目が変わってきたと感じます。斉藤・バニッシュ、ワシンレミコン闘争の勝利、政策運動の前進、企業内組織の拡大等、我々の勢いが続いている。我々は政治や経済社会の動きを正確に分析する能力を磨き、相手との力関係はどうなのかという位置関係を知ること。その上で我々の進んでいく進路をしっかり確立し、勢いに乗って一気に進むと組織は飛躍的に前進するのです。
日に日に、現実味を帯びる世界恐慌
 アメリカ発バクチ経済の破綻による世界同時株安と資本主義社会の崩壊をしっかり分析すること。まず現行経済の分析をするに、アメリカ発の世界同時の金融危機にもっとも関心が高い。この金融パニックは昨年から問題になっているサブプライムローンが引き金となっています。ローン返済の見込みの薄い人たちにローンを組ませて住宅を売りつけ、その住宅ローンを証券化して世界中にばらまき、そのローンが払えなくなって金融パニックが起こった。これはもう実態経済とかけ離れたバクチ経済です。全米第4位の証券会社リーマンブラザーズの倒産、大手保険会社AIGの破綻等、今後も金融機関は世界規模で破綻していくことが予想されます。   
イメージ写真 20世紀までは、革命か戦争の勃発で金融パニックを収縮させてきたのです。例えば、1929年の世界大恐慌は第二次世界大戦でようやく収まった。いま、局地的な戦争はあるが、第3次世界大戦は核の戦争になるのでそれは出来ない。革命は、といえば、いまの共産主義者は元気がない。しかし、イスラムが地域的な一種の革命をしている。もう一つはベネズエラエクアドル、チリの中南米地域の左翼政権。これらの地域では、アメリカ型競争社会を否定し、共生協働型社会の経済を目指しているので、これは一種の革命と言えるでしょう。
さて、いまの状態をみるに、アメリカが衰退しただけでなく、資本主義という経済・社会システムそのものがダメになっているのが現状です。資本主義は競争によって力の強いものが生き残る弱肉強食の社会であり、この資本主義の競争の延長線上に戦争がある。アメリカは第二次世界大戦以降、世界中で20に及ぶ戦争をしてきた。自分たちの言う事を聞かすために戦争を仕掛け、民主主義と人権を最大に破壊したのです。資本主義経済は行き詰まり、資本主義の社会システムそのものがもう駄目になってきている。
一方、日本の産業は輸出主導型だから景気が悪くなると、自動車電気鉄IT産業等の輸出がどんどん落ち込む。そうすると円高ドル安になり、さらに輸出が落ち込み景気が一層悪くなる。銀行が貸し渋りをして中小企業にお金を貸さなくなり、貸した所にお金を取りに行く貸し剥がしをする。先月、真柄建設が倒産したが、負債総額448億円のうち、一般債権が348億円、銀行融資が100億円。銀行はたった100億円で被害を届けた。つまり銀行が貸し剥がしをしたから真柄は倒産した。今後さらに多くの倒産が起こり、雇用不安が深刻になってくるでしょう
輸出型経済から、内需主導型経済へ
 社会を変えなければいけない。日本の選挙制度の枠組みの中で粘り強く社会を変える運動をしていく。総選挙は11月にはあると言われているが、この度の選挙の争点はどこにあるだろうか。ひとつはいままでのようにアメリカのいいなりになって戦争をする国を作るのかということ。戦後、日本が一度も戦死者を出していないのは、憲法9条があるから。憲法9条に軍隊を持たないことと、外国との交戦を否認しているから日本は平和を維持してきたのです。もう一つの争点は、このまま大企業中心の経済社会を許すのか、それとも中小企業と労働者中心の経済に転換するのかということ。現政権は大企業にたいする保護政策を依然として止めず、国民をごまかしている。いままで全てがごまかしとでたらめだった。年金問題でも後期高齢者医療の問題でもごまかしつづけ、これまで中小企業、農民商工者、労働者を徹底的にいじめてきた。景気対策で一番良い財源は、大企業が儲けたお金。そのお金を分配することです。大企業はここ6年近くの好景気で潤っている。そこからお金を吐き出させ、中小企業、労働者、農業、商工者を潤すのです。そして、1800万人の派遣労働者を本勤にし、年収200万円のワーキングプアー1000万人の所得を500万円に上げる。これには最低賃金をうんとあげればいい。そうすると物を買う力が出て、外需主導型から内需主導型に経済を転換させることができる。
妨害には屈せず、運動を強力に推進
 さて、生コンの今後はどうなるのでしょうか。生コンは需要がどんどん落ち込んでいる。今期の大阪広域協組の年間需要480万m3の目算は、現実には360万m3に届くかどうか。だからいま工場集約をしているが、集約が追いつかないほど落ち込んでいるのが実情です。4月に発足した阪神地区生コン会には員外企業46社が結集している。この46社で約300万m3出荷するとして、広域協組と合わせて年間660万m3。14年前に広域協組が出来た時は、年間900万m3。今後も落ち込むことはあっても上がることはないでしょう。
いま、我々が創造し、主導してきた産業政策が業界で実りつつある。今後もしっかり学びレベルアップしていく必要があります。我々が勉強することにより生コン業界の社長も勉強するという相乗効果をおこしていきたい。いくら口でいいことを言っても、やることをやらなかったら「資本の手先」のようになる。我々はきっちり方針を作り出し枠組みを作っていくのが重要です。先ほどの阪神地区生コン会は、近々「阪神地区生コン協同組合」になり、46社全部が加盟します。労働組合を軸にした組織を作り、適切な助言を与えて、お互い競争をせずに売り価格を安定させること。これは早速、効果が出ています。
もう一つは品質管理・品質保障の徹底。さらに新技術開発。曲がったコンクリートや軽いコンクリート、保水性の高いコンクリートなどが出来れば需要も高まる。例えばアスファルトに替わるコンクリートが出来れば需要はさらに高まる。さらに環境問題にもっと力を入れ投資する。
もう一つは学習。いま、組合総研がそこに取り組んでいる。こういうことをして業界は「ねり屋」から「生コン産業」になっていくのです。生コン業界は社会的に有用な割に地位が低い。我々がきちんとすれば、業界の地位は高まる。新規参入にしても、資格を取得しなければ参入しづらくするといったふうに、資格制度の準備を着々としているところです。
東淀川の「アソシエ会館」が来年6月に完成し、ここを中小企業の砦にします。このような会館が出来るのは生コン業界はじめてのことです。この会館は、権力やゼネコンメーカーにとっては自分達の利益にならないからと、我々の運動を妨害する。この建設は是が非でも成功させなければならない。しかし、「資本の手先」が我々の足を引っ張るのは彼らよりもっと罪深い。昨日、品質管理委員会があり、関西宇部の不当労働行為と公害のたれ流しを追求したところ、「資本の手先」は「そんな話はやめてくれ。済んだ話だ」と言いだした。とんでもない、これは過去のものではなく、現在進行形で起こっている事実である。
さて、次に我々がしなければならないことは、権利侵害を受けている仲間達の雇用を労働組合の力で確保することです。そして権利侵害との闘いを支部の問題として総体を集中して闘う。権利侵害に勝利してこそ組織拡大が実現する。いま労働争議がないところでも、不当労働行為の抑制につながる。
私たちはいままで、三井、住友、三菱など、大企業と闘って勝ち抜いてきた。これに自信を持って、権利侵害反対闘争に取り組まなければなりません。ほかの分野でも生コンと同じように取り組めばいいし、政策闘争をしっかりする必要がある。
この度も内部改革の意味で女性の役員を登用したい。世の中の半分は女性なので組織の活性化に繋がる。今一番の問題は「事なかれ主義」、「先送り主義」、そして助け合う力が弱まっていること。我々の運動は世の中の人達を助けることになる運動です。
労働運動に活力が戻れば、ワーキングキングプアーなどで困っている人を助けることになる。来期はそういう活力ある運動を強力に進めていきたいと思っています。

連帯ユニオン・関西地区生コン支部 2008年10月10日No.714 くさり より

 

 

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