さて、生コンの今後はどうなるのでしょうか。生コンは需要がどんどん落ち込んでいる。今期の大阪広域協組の年間需要480万m3の目算は、現実には360万m3に届くかどうか。だからいま工場集約をしているが、集約が追いつかないほど落ち込んでいるのが実情です。4月に発足した阪神地区生コン会には員外企業46社が結集している。この46社で約300万m3出荷するとして、広域協組と合わせて年間660万m3。14年前に広域協組が出来た時は、年間900万m3。今後も落ち込むことはあっても上がることはないでしょう。
いま、我々が創造し、主導してきた産業政策が業界で実りつつある。今後もしっかり学びレベルアップしていく必要があります。我々が勉強することにより生コン業界の社長も勉強するという相乗効果をおこしていきたい。いくら口でいいことを言っても、やることをやらなかったら「資本の手先」のようになる。我々はきっちり方針を作り出し枠組みを作っていくのが重要です。先ほどの阪神地区生コン会は、近々「阪神地区生コン協同組合」になり、46社全部が加盟します。労働組合を軸にした組織を作り、適切な助言を与えて、お互い競争をせずに売り価格を安定させること。これは早速、効果が出ています。
もう一つは品質管理・品質保障の徹底。さらに新技術開発。曲がったコンクリートや軽いコンクリート、保水性の高いコンクリートなどが出来れば需要も高まる。例えばアスファルトに替わるコンクリートが出来れば需要はさらに高まる。さらに環境問題にもっと力を入れ投資する。
もう一つは学習。いま、組合総研がそこに取り組んでいる。こういうことをして業界は「ねり屋」から「生コン産業」になっていくのです。生コン業界は社会的に有用な割に地位が低い。我々がきちんとすれば、業界の地位は高まる。新規参入にしても、資格を取得しなければ参入しづらくするといったふうに、資格制度の準備を着々としているところです。
東淀川の「アソシエ会館」が来年6月に完成し、ここを中小企業の砦にします。このような会館が出来るのは生コン業界はじめてのことです。この会館は、権力やゼネコンメーカーにとっては自分達の利益にならないからと、我々の運動を妨害する。この建設は是が非でも成功させなければならない。しかし、「資本の手先」が我々の足を引っ張るのは彼らよりもっと罪深い。昨日、品質管理委員会があり、関西宇部の不当労働行為と公害のたれ流しを追求したところ、「資本の手先」は「そんな話はやめてくれ。済んだ話だ」と言いだした。とんでもない、これは過去のものではなく、現在進行形で起こっている事実である。
さて、次に我々がしなければならないことは、権利侵害を受けている仲間達の雇用を労働組合の力で確保することです。そして権利侵害との闘いを支部の問題として総体を集中して闘う。権利侵害に勝利してこそ組織拡大が実現する。いま労働争議がないところでも、不当労働行為の抑制につながる。
私たちはいままで、三井、住友、三菱など、大企業と闘って勝ち抜いてきた。これに自信を持って、権利侵害反対闘争に取り組まなければなりません。ほかの分野でも生コンと同じように取り組めばいいし、政策闘争をしっかりする必要がある。
この度も内部改革の意味で女性の役員を登用したい。世の中の半分は女性なので組織の活性化に繋がる。今一番の問題は「事なかれ主義」、「先送り主義」、そして助け合う力が弱まっていること。我々の運動は世の中の人達を助けることになる運動です。
労働運動に活力が戻れば、ワーキングキングプアーなどで困っている人を助けることになる。来期はそういう活力ある運動を強力に進めていきたいと思っています。
連帯ユニオン・関西地区生コン支部 2008年10月10日No.714 くさり より |