〈大阪地裁大法廷〉
全自交大阪地連の組合員が原告となって進めている低額運賃事業許認可取消等請求訴訟の弁論が4月23日に大阪地裁大法廷であった。中身は、立証計画で進行協議。
裁判終了後、中央公会堂で行われた報告集会では、塚本近畿地協議長が主催者代表としてあいさつし、次のように述べた。
労働集約型産業であるハイタク業界に規制緩和や構造改革と称して市場原理がそのまま持ち込まれ、労働者の生活が成り立たないまでに業界の秩序が損なわれた。今日では高級車で中型運賃を申請する事業者まで現れる始末。こういった国交省の許認可の在り方に問題を呈して行われた東京と大阪の両裁判で、大口割引で国を相手取った東京地裁では敗訴したが、結果として、これら裁判が行政に方向転換させる契機となった。全国的に運賃値上げ申請が行われ、続々と認可されてきた。また昨年12月には大阪市域が「準特定特別監視地域」に指定されるなど、潮目が変わりつつある。
これらの傾向は、この両裁判がメディアを通じて規制緩和以降のハイタク業界の問題点を社会的に浮き彫りにし、市場原理に任せた自由競争が違法脱法事業者を増大させ、交通渋滞や交通事故を招き、公共交通機関の使命である安全運行を脅かす事態となり、また労働者の生活苦や借金苦などの生存権も脅かされ、看過できないところに来ている。最近では、ワンコイン(500円)を認めていた行政が個人タクシーの480円の申請を認可しなかったのは、全自交の主張を認めた形となって表れた。